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ハレルヤピザ|安佐北区ドライブにおすすめ!自家製小麦のもちもち薪窯ピザ

広島市中心部から、車を北へ走らせること約1時間。安佐町飯室に、ランチドライブにおすすめのピザ店があります。『ハレルヤピザ』の店主・霜下 信二(しもした しんじ)さんが作るのは、自家製玉ねぎ水を練り込んだもちもち生地を、自作の薪窯で焼き上げる唯一無二のピザ。
さらに、休耕田を活用した小麦づくりや、地域の中学生との学びの場づくりなど、ピザづくりに留まらない“地域との連携”も魅力です。
「ここでしか味わえないピザ」を目指す霜下さんに、そのこだわりを伺いました。

店主の霜下さん

玉ねぎ水を使った独創的な生地づくり

ハレルヤピザの最大の特徴は、玉ねぎ水で仕込む生地。玉ねぎを水と一緒にミキサーにかけ、2日間置いて濾した玉ねぎ水を練り込んで作られています。

玉ねぎを入れることで、どんな味になるんですか?
霜下:甘味というより、旨味が出るんです。例えるならコンソメ風味のような。
一般的なピザが加水率60%くらいのところ、ハレルヤピザでは約82%だそう。柔らかい生地が最大の特徴。
霜下:生地が柔らかいと扱いは難しいんですけど、もちもちの食感になるんです。年配の方や子どもでも食べやすいように、とにかく水分多めの高加水で作っています。玉ねぎ水を使い始めてからは、お客様の反応がめちゃくちゃ良くなりましたね。

店内の薪窯は、霜下さん自身が手作りしたもの。内装も自分たちでDIYしたそう。

霜下:薪窯はYouTubeを見ながら手探りでDIYしました。何度も試行錯誤しながら、ようやく今の形に落ち着いたんです。大家さんも「壁を抜いていいよ」って言ってくれて。薪も以前は自分で山に入り調達していましたが、今は、安佐町の方から薪を購入しています。
約380〜390度の高温で一気に焼き上げることで、表面はパリッと、中はふんわりとした絶妙な焼き加減に。

郊外だからこそ「わざわざ来る価値がある」ピザを

人気No.2のスペイン生ハムとベビーリーフのピザ。スペイン産の生ハム「ハモンセラーノ」がたっぷりトッピングされていて、食べ応えのある一枚。

霜下さんのおすすめは「スペイン生ハムとベビーリーフのピザ」。実際にいただいてみると、生地はもっちりとしながらも驚くほど軽やか。一口頬張ると、玉ねぎの旨味がふんわり香り、イタリア産モッツァレラ、ドイツ産ゴーダ、北海道産マスカルポーネ、イタリア産グラナ・パダーノの4種のチーズが層になって絡み合います。薪窯で焼き上げた香ばしい耳の部分と、もちもちの生地の対比も絶妙なバランスです。

北広島町の農園「やまのまんなかだ」さんから仕入れたベビーリーフは、農薬や化学肥料に頼らず育てられた新鮮なもの。その上からスペイン産生ハム「ハモンセラーノ」を惜しみなくたっぷりと乗せています。生き生きとしたベビーリーフの食感と生ハムの相性は抜群です。

ベーコンと温泉卵、ベビーリーフが乗った人気No.1の「ハレルヤピザ」。とろとろの温泉卵ともちもち生地を絡めながらいただく一品です。

東京のイタリアンレストランで12年間働いた後、地元広島での独立を決意したという霜下さん。中小企業支援センターに起業の相談をしたところ、「ピザ屋がない郊外に開いた方がいい」とアドバイスを受けたそうです。そこでピザのデリバリーが届かないエリアを探し、この場所に辿り着きました。

霜下:郊外だから家賃も安く抑えられて、価格競争にも巻き込まれないんです。その分、ピザにしっかり原価をかけられる。わざわざこんなところまで来ていただくんだから、「遠くまで来た甲斐があったな」と満足してもらえる、価値のあるピザを提供したいんです。

小麦づくりへの挑戦と、地域での助け合い

できる限り「この土地で完結するピザ」を目指したいと考えている霜下さん。その思いから、約2,500㎡の休耕田を借りて小麦の栽培も始めました。

霜下:休耕田を借りて約2,500㎡の畑で小麦を育てています。収穫した小麦は自家製粉して、生地に配合しています。できるだけ化学肥料を避け、牡蠣殻や鶏糞で土壌改良を行っています。
お店を営業しながらの小麦栽培は、大変ではないですか?
霜下:地元の中学生たちが職業体験の一環で麦踏み体験を一緒にやってくれていて。今年で4回目になりました。麦踏みはとても大変な作業なので、すごく助かっています。

麦踏みとは、生育中の麦を足で踏みつけることで、耐寒性・耐乾性を高めたり、分げつを促すための工程です。
この中学生の麦踏み体験は、単なる農作業体験にとどまらず、その後の学びにも広がっているのだそう。生徒たちが収穫した小麦でお菓子やクレープを作り販売するなど、小麦の栽培から加工・販売までを体験できる“総合学習”として定着しつつあります。

霜下:地域の皆さんには、お店を開く前から本当に支えてもらいました。丸太を運ぶのを手伝ってくれたり、お米を持ってきてくれたり。オープン後も、ご近所の方がよく食べに来てくださるんです。
妻のあずささん、娘の葉(よう)ちゃんと。家族で温かな雰囲気のお店を作り上げています。

毎朝6時から仕込みを始め、生地の発酵には約5時間。湿度や気温に合わせて微調整しながら丁寧に育てた生地は、多い日で1日60枚ほど焼き上げるのだそう。

霜下:ゆくゆくは養鶏も始めて、卵を自給し、鶏糞を畑に循環させられるようにしたいと思っています。

独創的なピザ生地、手作りの薪窯、地元で育てた小麦、そして地域の人々との支え合い。霜下さんのピザは、この土地の恵みと人のつながりが凝縮された特別な一枚です。こだわりの詰まった味を体感しに、ちょっとドライブしてみませんか?

ハレルヤピザ

広島市安佐北区安佐町飯室563-1

TEL.090-4104-5631

OPEN.平日・祝日 11:00~14:00 / 土日 11:00~19:00

定休.月・火曜日、第4日曜日

アクセス
広島市中心部より車で約1時間