1989年に誕生した永本建設株式会社。家づくりを通して住む人の笑顔を生み出せるよう、材からこだわった家づくりを続け、お客様へのフォローも忘れません。人だけではなく、環境も大切にし、地域材の循環、薪ストーブショップの運営、子どもたちへの環境教育の取り組みなど持続可能な地域を支える永本建設株式会社の思いをお聞きしました。
木材の地産地消
永本建設株式会社さんというと、地域に根差した会社というイメージがあります。
永本：最近の家づくりは安価で手に入る外国材を使っているというイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、永本建設は地元の山主さんから直接木を仕入れ、地域で木材が循環するようにしています。丸太から仕入れるので材にするまでが大変ですが、一つ一つの手間を大事にしています。また最近では、屋外でも腐食に強い木材「E’s-Wood」の販売を開始し、地域木材の更なる普及を目指しています。
「手間をかける」ことにこだわり続ける理由はなぜですか？
永本：そこをこだわらないと永本建設で建てる意味が無いと思っています。今の機械加工ではできない大工さんのノミやカンナを使って加工する「手刻み」の家づくりを学んできました。手刻みにしかできないそれぞれの材が持つ特性を活かし、末永く住み続けることのできる家づくりを大切にしたいと思っています。
身近な物件で言うと、廿日市市にある串戸保育園が思い浮かびます。
永本：地元の材、地元の人の手で、地元の人のために作りたいとこだわりを持って建てました。自然素材の無垢材を使用しているので、木の目が美しく、子どもたちが裸足で歩いても気持ちの良い空間となっています。ここがきっかけで自身の家を見直す親御さんも生まれ、私たちの思いが伝わりうれしく思っています。
薪ストーブのある暮らし
「薪ストーブショップ Wood Stock(ウッドストック)」も運営されていますね。
永本：無垢材で家づくりをしていると端材が多く出るんです。その端材を何かに活かせないか考えていた時に出合ったのが薪ストーブでした。薪ストーブは炎の力で、じんわり体を芯から温めてくれる暖房器具で、廃棄されていたものが熱エネルギーとして回収して利用することのできるクリーンなエネルギーです。そして、不思議と心と身体をゆっくりほぐし、家族の絆も深めてくれます。そんな薪ストーブを暮らしに取り入れてほしいと思いスタートしました。
実際に使っている方からはどんな声がありますか？
永本：だいたい薪ストーブを取り入れるのはご主人の方なんですが、はまっていくのは実は奥さんの方が多いんです。料理にも使えるし、薪ストーブの火を見ていると癒され家族の会話も増えた、という声がありますね。
本当に良いことづくしですね。
永本：新築だけでなく、後付けもできますのでぜひ興味を持っていただけるとうれしいです。東日本大震災の時に薪ストーブのあるご家庭で炊き出しが行われている光景がありました。このように災害にも強いのが薪ストーブです。これからの時代主流になってほしい物の一つですね。
子どもたちに残していける環境を
永本建設さんは環境問題にも早くから取り組まれているそうですね。
永本：森を作れば海が育つという環境保全に着目し2006年から「廿日市漁民の森づくり」活動をしています。廿日市市といえばカキが有名ですが、おいしいカキが育つ海を守るためにも山が大切なんです。山主さんから山の管理に困っているとお聞きし、漁業関係者、林業関係者、広島の大学生の方、地域の子どもたちと一緒に植林を始めました。
永本：幼稚園生の時に参加したお子さまが小学生になってからまた参加してくれました。木の成長に感動している姿を見て、続けていこうと思えています。
子どもたちも環境について考える大きなきっかけになっていますね。そのように人を大切にされるところが永本建設さんの魅力ですね。
永本：家を建てて終わりではなく1年に2回、各ご家庭に全社員と関係業者で訪問し定期点検や不具合がないかの確認を行っています。実際に喜んで住んでいただいている姿を見ることができ、我々にも笑顔が生まれ、家づくりへの士気が高まります。このように人の笑顔を生み出せるような家づくりをこれからも目指していきたいです。
無垢材を活かした家づくりだけでなく、地域材の循環や、環境に優しい薪ストーブの普及、子どもたちとの植林など、未来を見据えた活動に取り組む永本建設さん。永本建設さんのお家に住まわれている方、薪ストーブユーザーの方、子どもたち、どの活動にもそこに笑顔があふれています。年に4回発行しているさまざまな取り組みやイベントなどの情報が掲載されている季刊誌もぜひ手に取ってみてくださいね。
