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iti SETOUCHI(イチ・セトウチ)|楽しみ方は十人十色!みんなの「作りたい」「やりたい」を叶える場所

JR福山駅にほど近い西町に、2022年9月30日にオープンした「iti SETOUCHI(イチ・セトウチ)」。ランチやショッピングを楽しめるだけじゃなく、遊ぶ、働く、作る、表現するなど、利用者視点で自由に、そしていろんな関わり方で楽しめる新しいコミュニティ施設です。

「屋根付き公園」という発想

ここはもともと商業施設だった建物だそうですね。
谷口:はい、1992年に「福山そごう」という百貨店として建てられ、直近では2020年まで「エフピコ・リム」という商業施設が営業していました。この建物自体は地下2階、地上9階建てなのですが、その1階部分だけを「iti SETOUCHI」としてリノベーションしてオープンしました。
ガラッと雰囲気が変わりましたね!今はどういった施設なのですか?
谷口:そうですね、いろんな用途を融合した、いわゆる複合施設です。飲食店があるフードビレッジ、ショップが並ぶマーケットストリート、コワーキングやシェアオフィスがあるワークストリート、ものづくり機能を備えたDIYスタジオ、誰でも自由に使えるパブリックスペースと、目的別に5つのエリアからなっています。
DIYスタジオでは看板や施設で使う本棚も作ることができる。
屋内外の区切りも曖昧で、すごく余白の多いつくりになっていますね。
谷口:街との連動性をつくるためにあらゆる壁をなくしているので、場所を区切る境界線というのがそもそもないんです。また「地域の人とともに育っていく小さなまち」ということをコンセプトの一つに掲げていて、常に変化し、成長し続ける場所として、あえて余白の多い空間になっています。街なかの公園のように誰でも自由に使うことができるパブリックスペースは、全フロア面積の半分、およそ2,700平方メートルにもなるんですよ。
屋外との境目もシームレス。雨の日には黄色いカーテンがかかる。
谷口:ほら、見てください。あそこには公道も走っているんです。
え!?建物の中に道路があるのですか?
谷口:普通に通勤路や通学路としてここを通る人たちもたくさんいます。公道であり歩道なので自転車は手押しで、ペットも抱っこであれば通過OKです。
施設中央の吹き抜けスペースを利用した、現代アートも目を引きますね。
谷口:「SLAP(Setouchi L-Art Project)」というコンテンポラリーアート事業も、施設の開業とともにスタートしました。ただアートを鑑賞する場をつくるだけでなく、都会に行かないと触れる機会がないようなアートを中心にいろんな人たちとコラボレーションして、アートは体験できるものであり、地方にいてもこんな面白いことができるということを、ここで示したいという意図もあります。
広島在住のアーティスト福田惠さんの作品「 一日は、朝陽と共に始まり、夕陽と共に終わる 」。この展示は2023年8月6日まで。

この場所でしか出会えない」店が集うマーケット

マーケットストリートにはどのようなお店があるのですか?
谷口:国内外の食材や日用品を扱うグローサリーストアやサイクルストア、グリーンショップなど、iti SETOUCHI のコンセプトに共感してくれた専門店が軒を並べています。
福山に新たな食文化・ライフスタイルを発信するグローサリーストア「NEED THE PLACE SETOUCHI」
安心素材を使って作られた子ども用のお菓子やスナックもたくさん。
広島初出店となる「グリーンショップナカノ」。インテリアとして人気が高まっているオージープランツにコーデックス塊根植物)を多く扱う
オシャレなまちの自転車屋さん「BETTER BICYCLES福山店」
どのお店も本当にここでしか出会えないような個性的なお店ばかりですね。
谷口:そうですね。フードビレッジのお店も、ハンバーガーや創作うどん、ドリンクにスイーツなど、福山に新たな味を発信するようなお店が揃っています。
アメリカ西海岸をイメージした本格的なハンバーガーショップ「Do you wanna Green?」で、ハンバーガー「チェリープールサイド」(1380円)とサラダ「カルフォルニアクラブ」(1350円)をいただきました。

誰もが「やりたい」を叶える場所

ワークスペースのインテリアもオシャレで、空間もすごく開放感があります。
谷口:こちらもワークスペースとしてだけでなく、子ども会など地域のコミュニティの集まりが開かれたり、学生が自主学習していたり、いろんな用途で使っていただいています。先日はスマブラというゲームの対戦交流会が開かれたんですよ。
ミーティングルームや個室、イベントスペースも備える「コワーキングスペース  tovio」
こうして改めて見るとiti SETOUCHIはどのスペースも、利用者さんの目的に合わせて自由な使い方ができるのですね。
谷口:iti SETOUCHIの主役は運営側ではなく、あくまで利用する地域の皆さんです。ここで自分が欲しいものを作り、やりたいことを叶えてほしい。地域の皆さんにとって、iti SETOUCHIはみんなの希望を作り、叶える場所でありたいと思っています。
ワークショップで中高生が作ったムーバブルデスク。座ったまま自由に移動ができる。
iti SETOUCHIでいろんなモノ、コトに触れて、アクションを起こす人がどんどん増えていったら、地方ももっと面白くなりそうですね。
谷口:そうですね。僕はここは生きている施設だと思っていて、どんどん変わり続けて、これからも地域の人たちと一緒に成長し続けていきたいんです。地域とiti SETOUCHIのつくる未来にワクワクしています。
今回お話を伺ったiti SETOUCHI支配人の谷口博輝さん。

iti SETOUCHIには利用する人が主体的に関われるための仕掛けがいくつもあって、谷口さんのお話を聞きながら「私だったら何ができるだろう」とワクワクが止まりませんでした。ぜひiti SETOUCHIで、皆さんもつくりたいものをつくったり、やりたいことを形にしてみてください。思いもよらない新しい未来に出会えるかもしれませんよ。

iti SETOUCHI

広島県福山市西町1-1-1 1F

OPEN.10:00〜21:00

定休.テナントごとに異なります。詳しくは公式HPをご確認ください。

アクセス
CLiP HIROSHIMAから車で約1時間20分