中森:「開発センターが欲しい」という社員の声に応え、2012年にセンター建設の構想が立ち上がりました。それから立地やコンセプトの検討、決定を経て、2021年に着工、2022年に竣工しました。[the Box]という名前には、「Outside the Box(創造的な、独創的な)」というメッセージが込められています。モノづくりに関わる社員がアイデアを形にできる設備環境を整えたテクニカルセンターです。
[the Box]建設プロジェクトのメンバーの一人、株式会社モルテンの中森真太郎さん。
中森:モルテンには4つの大きな事業があります。各事業のモノづくりのほか、全事業を横断して開発ができるような場をこのセンター内に設けています。競技用ボールの製品開発を追究する「the Court」、自動車部品の開発やクルマの走る歓びを共有する「the Garage」、医療・福祉機器の開発や研究に取り組む「the Medical Lab」、マリン・産業用品事業を含めたすべての事業が得意な分野を生かしながら共同でアイデアをカタチにする「the Studio」の4つです。
バスケットコートが設置されている「the Court」。コートの上層階には社員のオフィスフロアがあり、エンジニア自身がすぐにコートへ降りて試作品をテストできる環境になっている。エンジニア自ら実車を組み立てたり分解したりして、エンジン吸気部品やシャシー部品などの開発技術を磨く「the Garage」。半無響室も用意し、より広く比較・検証ができるように。人の動作解析ができるモーションキャプチャを備えた「the Medical Lab」では、人間工学をベースに医療や介護の現場で欠かせない床ずれ予防エアマットレスや車いすなどの開発を行う。事業の壁を越え、社員がコミュニケーションを取りながらモノづくりのアイデアを持ち寄り、新しい取り組みにチャレンジしていく「the Studio」。社員やその家族が作業台をDIYで制作するなど、社員自身も[the Box]建設の一部を担った。