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西川家具|手仕事家具と雑貨に出会う、福富町の小さな工房

東広島市福富町で、家具職人として活動する『西川家具』の西川浩さん。店舗や商業施設向けのオーダー家具のほか、組子細工や寄木細工を取り入れた個性的な作品を製作しています。工房そばの小さなショップでは、手仕事が光る雑貨や小物を販売中。また、イベント企画を通じて地域おこしにも取り組み、地元の人々を巻き込みながら、福富町に新しい風を吹き込んでいます。

手仕事で応える、唯一無二のオーダー家具

どのような家具を手がけていらっしゃいますか?
西川:店舗や商業施設向けの什器(じゅうき)をメインに、時には住宅用のオーダー家具や建具も製作しています。組子細工や寄木細工を取り入れたデザインも好評ですね。

設計図のない依頼にも柔軟に応えるのが西川さんのスタイル。イメージをもとに依頼者と相談しながら形にする一点物の家具は、口コミで新たな依頼へとつながっています。

骨組みを細かく合わせ、大きなアーチを実現した食器棚。依頼主の「こんな家具が欲しい!」をそのまま形に。
組子細工の室内窓。住宅用建具は、工務店や設計事務所、建築主からの直接依頼にも対応。
東広島市との連携プロジェクトで、大型商業施設の屋上に設置されたパーゴラ。柱には寄木細工を丁寧に埋め込んであり、これを見た人からの問い合わせも多いのだそう。

端材を使った雑貨やアクセサリーを店頭販売

敷地内に建てられたショップは、「山小屋風にしたい」という奥様の希望を叶えた西川さんの手作り。側では、のんびり草を食べるヤギたちにも出会えます。

ショップではどんな物が販売されていますか?
西川:家具を作ると、どうしても端材が出るんです。それをただ捨てるのではなく、小物などに作り変えて販売しています。
ヒノキの端材を使った組子細工のランプシェード。明かりを灯すと美しい影が。
寄木細工のアクセサリー。お気に入りの柄を見つけてみて。
ヒノキの積み木は子どもたちに大人気。

ヒノキの端材を使った積み木は、さまざまなイベントで子ども向けワークショップとしても展開中。「遊びを通して考える力を育んでほしい」と西川さん。いろいろな形の積み木から好きなものを選び、枠にぴったり収める方法を考えながら遊びます。

人と地域をつなぐ活動へ広がる挑戦

工房の周りには、のどかな田園風景が広がっています。

広島市内の会社で経験を積んだあと、家具職人として独立すると同時に福富町へ拠点を移した西川さん。工房とショップは、父方の祖父が住んでいた家の敷地に建てられました。

西川:子どものころ、毎年夏休みは福富町の祖父の家で過ごしていました。当時は体が弱かったんですが、畑で採れた野菜を食べ、外で走り回るうちに、どんどん元気になっていったんです。

この体験が、西川さんの現在の活動へとつながっています。

地域おこしのためのマルシェも企画されているそうですね?
西川:福富町が子育てにとてもいい場所だということを、もっとたくさんの人に知ってもらいたくて。木登りしたり、雨が降ってもビニールハウスの中で遊べたり。都会ではなかなかできない体験が、ここでは普通にできるんです。

福富町の魅力を発信し、移住者が増えることを願ってマルシェを企画。地元のトムミルクファームさんとタッグを組み、年に3回、『牧場(まきば)まつり』を開催しています。思いに共感してくれる仲間たちとともに取り組み、来場者も増加。活動の輪は、地域内外に確実に広がりつつあります。

3,000人もの来場者があった前回の牧場まつり。

2025年7月20日、トムミルクファームにて『第4回 牧場まつり』開催を予定しています。

西川:実際に移住された若いご夫婦も何組かいて、「田舎に住みたい」と相談されることも増えました。今後は福富町に住みたい人と、空き家を活用したい人との橋渡し役も担っていけたらと思っています。

田園風景に癒され、西川さんご夫妻の笑顔に迎えられ、工房で手作り雑貨を見つけるひととき。そんな福富町の魅力に、ふらりと会いに行ってみてはいかがでしょう。『牧場まつり』にもぜひ足を運んでみてください。

第4回牧場まつり

日時 : 2025年7月20日(日)10:00〜16:00

会場 : トムミルクファーム

→ 詳細は西川家具Instagramで告知予定

西川家具

東広島市福富町久芳2145

TEL.090-9412-6654

OPEN.11:00~16:00 

定休.不定休 ※詳しくはInstagramにてご確認ください。

アクセス
山陽自動車道・広島ICより車で約40分