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地元愛から生まれるマイクロツーリズム|津田交通 鈴木理衣奈さん

『津田交通』の鈴木理衣奈さんは、自身の出身地である廿日市市佐伯エリアの魅力を県内外、そして海外の人に知ってもらおうとマイクロツーリズムの企画・運営に取り組んでいます。地域住民とのつながりから生まれる、地元愛あふれるさまざまな取り組みについて尋ねました。

生まれ育った地域の魅力を伝えたい

津田交通さんの事業内容を教えてください。
鈴木:祖父が始めたタクシー事業と父が始めたバス事業を中心に、現在では旅行業も行っています。
タクシーや観光バス、スクールバスなどを運営し、地域住民の移動手段として重要な役割を担っている。
マイクロツーリズムはいつ頃から取り組み始めたのですか?
鈴木:私はバスの運転手や添乗員として、お客さまを全国各地の観光地へご案内してきました。その中で感じたのが、観光地と同じようにこの佐伯エリアにも魅力があり観光資源があるということです。私自身この地域で生まれ育っているので地元貢献や地域活性化への思いもあり、約10年前から取り組み始めました。
観光地めぐりやクルーズ旅行などさまざまな旅の提案を行っている。
最初はどのようなことを行ったんですか?
鈴木:廿日市市から島根県津和野町までを結ぶ、江戸時代に参勤交代のために使われていた津和野街道と呼ばれる道があります。そこをウォーキングしながら歴史や自然を知ってもらうというプランから始めました。
広島に住んでいても、そうした道があることを知らないという人はきっと多いですよね。
鈴木:そうなんです。だから広島の方はもちろん、県外からの参加者にも喜んでもらえたんですよ。同じ頃には宮島への外国人観光客も増えていたので、宮島を訪れた観光客を中山間地域へご案内するという取り組みも始めました。
コロナ禍以前には、海外からの観光客を「大虫さくらまつり」へ案内。

体験しながら一緒に楽しめるものを

マイクロツーリズムについて、企画はどのように考えていますか?
鈴木:町内で行われる祭りや、川に笹舟を流したり神社で写経をしたり、古民家で五右衛門風呂に入ったり釜戸で調理をしたり、私が子どもの頃から残っている行事や文化をツアーにしています。お客さまには、観客として見るのではなく参加者として一緒に楽しんでもらえるものを届けたいと思っています。
マイクロツーリズム参加者と近隣の子どもたちが一緒に神楽を楽しむ様子。
田舎暮らしをしているような感覚で楽しめますね。
鈴木:ほかには、地元住民の皆さんにご協力いただくものづくり体験も行っています。左官屋さんに教わりながらタイルをつくったり、書道の先生と一緒に御朱印帳をつくった後に地域の神社を巡って朱印をいただいたり。
自分オリジナルのお土産がつくれるような感じでしょうか。
鈴木:そうですね。地域にはバイタリティ溢れる方や、地域のことを知ってもらって盛り上げたいと思ってくださる方が多くいます。行事や文化と併せて、人の魅力も地域の財産だと思っています。

楽しみ方が広がるマイクロツーリズム

コロナ禍においては、どのようなことを大切にしていましたか?
鈴木:やはり“人が集まる”ことがしにくくなったので、内容を検討し直しました。タクシー事業をしている私たちができることと、コロナ禍で影響を受けてしまった地域の飲食店さんとで協力してできることを考えて。本来食べることは楽しいことだと思うので、家からお店までの往復をタクシーで送迎して、食事やお酒をしっかり楽しんでもらうというプランを考えました。
移動の心配をしなくてもいいのはありがたいかも! お酒も気にせず楽しめますね。
鈴木:家族や友人同士など少人数での移動になるので、少し安心感もありますよね。このプランは運転への不安がある方や、車や免許を持っていない方にも楽しんでいただけて、リピーターもいるくらいなんですよ。食事以外だと、行き帰りの車の運転を気にせず中山間地域でたっぷり遊べる便利さから、レジャーや旅行にタクシーを活用してもらうこともあります。最近ではいちご狩りをプランに組み込んだこともありました。
今後は、夏休み等を活用した子どもたちの田舎暮らし体験なども充実させていきたいそう。
これからは、よりバリエーション豊かにマイクロツーリズムが楽しめそうですね。
鈴木:そうですね。大好きな津田エリアのことを、まずは知ってもらうことが一番大事だと思っています。ここに暮らす自分の子どもたちへはもちろん、広島県内に暮らす人にも、他県や海外で暮らす人にも楽しく体験してもらいながら中山間地域の魅力を伝えられたらと考えています。

「次の世代へ、大好きな地域の魅力を渡していけたら」と話す鈴木さんの言葉一つひとつからは、地元愛がにじみ出ます。地域の自然環境や文化、そして人の魅力が詰まったマイクロツーリズムを通して、その地域ならではの良さに改めて触れてみませんか。

津田交通 常務取締役

鈴木 理衣奈さん

廿日市市出身。祖父の代から営む『津田交通』で、バス運転手や添乗員、旅行プランの企画・運営などを行う。地元に貢献したいと、マイクロツーリズムで地域の魅力を発信するとともに、県外からの入学が多い佐伯高校の寮母も担っている。

津田交通

廿日市市津田4771

TEL.0829-72-0338

OPEN.7:00~20:00

定休.無休

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