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ビストロ食堂Bonappetit 中村祐介さん|小さな洋食屋の店主が届ける「明日への活力」

イタリアンを中心としたお店「ビストロ食堂Bonappetit」のオーナーを務める中村祐介さん。「30歳までに自分の店を持ちたい」という夢をかなえるために大阪で修業をし、地元広島でもさまざまなジャンルの経験を積み、2020年4月にボナペティをオープンさせました。お店を経営する上で大切にしていることやボナペティならではのこだわりのポイントを聞いてきました。

幼いころに決めた「自分のお店を持つ」という夢をかなえるために

中村さんはどんなことがきっかけで飲食の道に進もうと決めたのですか。

中村:中学生くらいから家で料理を作る機会が多かったんです。僕の作った料理を家族や友達が食べたときに「おいしい」って言ってくれたことがすごくうれしくて。そのことがきっかけで、料理の道に進もうと決めました。いつかは自分のお店を持ちたいって思ってましたね。

おいしいと喜んでくれたことがとてもうれしかったんですね。

中村:そうですね。幼い時ですけどよく覚えています。高校を卒業した後に、大阪の調理師専門学校に行ったんです。卒業して大阪のホテルで4年間働いた後、広島に戻ってイタリアンやフレンチなど小さなお店で働きましたね。

前の職場での中村さん。

ホテルと個人の店では働き方が違うんですか?

中村:違いますね。ホテルって、集団調理になるので、自分ができる幅が一つになっちゃうんですよ。ソースをかけるだけのセクション、肉を焼くだけのセクションみたいにそこの担当になると、1~2年それをやらないといけないんです。そういうやり方ではなくて、さまざまなジャンルの調理ができる小さなお店で働きたいなって思って、いいところをたくさん吸収するためにもいろんな場所で働くことを選択しました。

さまざまな場所で働いて、大変なことが多かったんじゃないですか。

中村:正直、ホテル時代の修業は大変でしたね。当時は今とは違ってすごく怒られることが当たり前の時代だったから(笑)。仕事のことだったり、物事の考え方は身についたけど、当時は毎日やめたくて仕方なかったですね。

そういったつらい経験はどうやって乗り越えたんですか。

中村:やっぱり、いつかは自分のお店を持ちたいという思いがあったからだと思いますよ。あとは家族の支えですよね。家族がいたから乗り越えられたんだと思います。

今も中村さんを支えてくれている大切な家族。

お客様に届ける居心地のいい場所づくり

「ビストロ食堂Bonappetit」はどんなこだわりをもってオープンしたのですか?

中村:30歳までに独立したかったのと、自分が創造したものをお客様に提供して喜んでもらえることがすごくうれしくて、お客様に喜びを与えられる仕事がしたかったんです。僕が仕事をする上でモットーにしているのが「明日への活力」なんですけど、ここにきて楽しんでもらって、明日からも頑張ろうって思ってもらえる場所づくりをずっと心掛けています。

幼いころに料理を作っておいしいと言ってくれたことを鮮明に覚えているから、今でもそういう気持ちになるんでしょうね。

中村:こういう場所には、仕事や家でストレスを抱えた人が飲みに来てくれてると思うし、お店に来てまでストレスをためて帰るって時間もお金ももったいないじゃないですか。ここに来てくれたからには、楽しんでもらって明日への活力になればうれしいなと思います。

店内はカウンターになってるから話しやすいし、料理はもちろん中村さんの笑顔にみなさん癒されるんだろうなと思いました。

1階の店内はカウンターになっており、話しやすい距離になっています。
お店は兄弟で営業。中村兄弟が笑顔で出迎えてくれます。(写真右:中村祐介さん、写真左:弟の春麻(かずま)さん)

そもそも「ボナペティ」の名前ってどんな由来があるんですか?

中村:グランメゾン東京っていうドラマの中で主演の木村拓哉さんが演じる主人公が料理を提供するときに「ボナペティ」と言うんです。これには「召し上がれ」という意味があるんですけど、すごくかっこよくて気に入ったので、「ボナペティ」にしました。

そうだったんですね。お店をオープンされてから印象的だったことはありますか?

中村:お店をオープンしたのが2020年4月5日だったんですけど、オープンしてすぐに緊急事態宣言が発令されて。正直不安な気持ちでいっぱいでした。6月からやっと営業再開できるようになって、お客様が徐々に増えてきて、オープンして1年を迎えた時には、お客様からお祝いをいただいたんですよ。多くのお客様に恵まれていることを改めて実感したのと、人の温かさを感じた1年でした。

1年後にキッチンカーをオープンした時にも、お店のお客様がお祝いをしに来てくれたのだそう。
中村:出張の帰りにお土産を渡してくれたり、離れているところでも僕たちのことを考えていてくれてるんだなって。他にも、キッチンカーのイラスト入りのシャンパンをくれたり、「おめでとう」って言ってくれたり、すごくうれしかったですね。
「ビストロ食堂Bonappetit」のイラスト入りのシャンパン。
「このクッキーもったいなくて食べられないですよ(笑)。」と中村さん。

ボナペティからのサプライズプレゼント

ボナペティならではのこだわりの点はありますか?

中村:うちはケーキを一から焼いていて作っているんですよ。他のお店もケーキはあると思うんですけど一から焼くところって数少ないと思うんです。でも出すといつもお客様は喜んでくれるし、やっぱり気持ちって伝わるんだなって思います。女子会や打ち上げはもちろんなんですけど、お誕生日や記念日でお店に来てくれたらうれしいですね。

ボナペティオリジナルのホールケーキ。

ホールケーキが出てきたらすごくうれしいですね。ホールケーキを出すようになったのは何か理由があるんですか。

中村:僕の中で誕生日ケーキ=ホールケーキのイメージがあって、小さい時に感じたワクワク感をお客様にも味わってもらいたくて始めたんです。うちは1人3,000円以上召し上がっていただいた方にケーキを無料で出してるんですよ。お店からの誕生日プレゼントということにしています。ご予約時にお伝えいただければ、ご用意が可能です。

無料で!びっくりしました。

中村:あと僕、ディズニーとジブリが好きで。お店にある小物とか、細かいところまで1から揃えているんです。2階からスタッフを呼ぶときには「幸せのベル」を使って呼んでもらうんですよ(笑)。
こちらが「幸せのベル」。

おもしろい!女子にうけそうですね。2階に上がるまでの階段にはワインが数多く並べられていますよね。

中尾:前の職場のシェフに、ワインを飲ませてもらったときにすごくおいしいと思って。最初はワインのこと全然知らなかったんですけど、ワインってビールとかと違って100万円くらいの値段のものもあればコンビニで買えるものもあるわけじゃないですか。なんでこんなに値段の差があるんだろうって興味を持ち出してそこから追求しましたね。

たしかに、その差は気になる…。

1か月分のワインが置いてあり、1日平均で5~6本はなくなるそう。

中村:ですよね。だから僕は勉強してソムリエの資格を取ったんです。飲んでいくうちにお客様にもおいしいワインを飲んでもらいたいという思いから、ここのお酒はワインをべースにしました。

ワインに合うおすすめの料理を教えてください!

中村:白い恋人たちというオムレツですね、ぜひ食べてみてください。

ありがとうございます。[/spealer]

「白い恋人」専用の卵を使って調理をします。
普通の卵とは違って、黄身自体が白くなっています。
ホワイトソースをかけて「白い恋人たち~今宵涙こらえて」の完成です。
卵がふわふわで絶品でした。ぜひみなさんもワインと一緒にお楽しみください。

広島の街中にボナペティを

[speaker]今後のボナペティはどのようになっていきたいですか。
中村:広島中をボナペティで溢れさせたいと思っています。今、軽食ができるような古民家カフェをやろうと考えていて。お客様に楽しいって思ってもらえる場所を増やしたいんです。あとはイベントも自分で主催できるようになりたいし、今のお客様とのつながりを大切にして輪を大きくしたいなと思います。
キッチンカーでは、カレーやドリンクなど一つ一つ丁寧に仕上げたお食事を提供しています
中村: 「ここにくると明日からまた頑張ろうって思える」って言ってくれる方がいて、それがやりがいにもなってるんですよ。人と関わることで、僕自身の存在価値を認めてくれたように思えるんですよね。そういう人たちのために何かできないかなって思えるし、これからも「明日への活力」となるよう僕自身も頑張りたいなって思います。

柔らかい笑顔と一つ一つ気持ちのこもったメニューとおしゃれな空間に癒された編集部スタッフ。この笑顔と料理で「明日からまた頑張ろう」そういう気持ちに自然とさせてくれるお店だと感じました。みなさんもぜひ記念日、女子会、打ち合上げなどで足を運ばれてみてはいかがでしょうか。

オーナー

中村祐介さん

高校卒業後、大阪での修業を終え、地元広島に戻り、イタリアンやフレンチを学ぶ。2020年に「ビストロ食堂Bonappetit」をオープン。洋食とワインを中心にさまざまな料理を提供している。

ビストロ食堂Bonappetit

広島市南区大須賀町11-6

TEL.082-207-2059

OPEN.17:00~24:00

定休.不定休

アクセス
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