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島田水産|船に乗ってかき筏(いかだ)に大接近!現役漁師が案内する「かきの水揚げ体験&嚴島神社沖遊覧ツアー」

広島市中心部から車で約30分。廿日市市宮島口西にある牡蠣養殖業の老舗・島田水産では、毎年10月から翌年5月まで、牡蠣を水揚げする様子を間近で見ることができる、かきの水揚げ体験&嚴島神社沖遊覧ツアーを行っています。島田水産については以前、こちらの記事でも紹介させていただきましたが、今回は実際にツアーに参加し、どんな体験ができるのかレポートします!

6:50に島田水産に集合!

広島市内から国道2号線を大竹方面へ向かう途中、JR宮島口駅を過ぎて5分くらいの場所にあります。

牡蠣の水揚げは毎朝5:30頃から8:00頃まで行われています。体験ツアーではその一部を見学できるということで、6:50に島田水産に集合。日の出前のうす暗がりの中、島田水産はすでにフル稼働中。

7:00 小型船に乗って出港!

乗船した船はアップサイクルをテーマにした「高蔵染」によるしぶきアートが施されています。
島田水産の現役漁師の沖原光太​​​​朗さん。船を器用に操縦しながら、どんな質問にも答えてくれます。

少し陽がさしてきた7:00。簡単な説明を受けたあと、沖原さんが操縦する船でいざ出発!数分ほどで宮島沖にある島田水産のかき筏に到着します。

7:10 かき筏に到着!

海上から引き上げられた針金には、牡蠣がびっしり。漁師さんがハサミを入れると一斉に外れて、船の上になだれ込みます。

かき筏に到着すると、水揚げはもう始まっていました。エンジンを一時停止した船の上で、沖原さんの説明を聞きながら水揚げの様子を見学します。

この体験ツアーの醍醐味は現役漁師さんにガイドしてもらえること。「せっかく“体験”に来ているのだから気になったことはなんでも聞いてほしい」と沖原さん。
水揚げは大きなクレーンを使って行われるのですね。すごい迫力です!
沖原:筏から吊るされた針金を「垂下連(すいかれん)」というんですが、長さは10メートルほどあります。それを12本くらいにまとめてクレーンで引き上げるので、迫力ありますね。
1本の水下連には何個くらいの牡蠣がついているのですか?
沖原:1本につき大体200個くらいついているので、今、クレーンで吊るされている12本の垂下連には2400個くらいついている計算になります。
一度にそんなにたくさんの牡蠣が水揚げされるとは驚きです。水揚げ作業は毎日行われているのですか?
沖原:シーズン中は日曜以外ほぼ毎日水揚げしているので、体験ツアーも予約がない日以外はほぼ毎日、実施しています。
この体験ツアーでは水揚げの見学だけでなく、嚴島神社の海上参拝もできると聞いたのですが。
沖原:はい、この船で大鳥居の近くまで行きます。今日は潮がいいので近くまで行けると思いますよ。

7:30〜40 嚴島神社沖遊覧&参拝

そして船は再び動き出し、大鳥居の近くまで移動。早朝に海から眺める嚴島神社はいつにも増して神々しい姿です。

船上から嚴島神社を参拝できるなんて、すごく贅沢な体験ツアーですね。
沖原:嚴島神社は古くから海上交通の神様といわれ、我々漁師にとっては馴染み深いです。また、多くの観光客はフェリーで宮島に渡り神社に陸上から参拝しますが、このツアーでは我々漁師と同じ目線で神社を海上から参拝することができることも魅力のひとつです。
ところで、この体験ツアーを始めたそもそものきっかけは何だったんですか?
沖原:うちの会長が食育に力を入れていて、「子どもたちに牡蠣のおいしさを伝えたい」「広島の特産品である牡蠣についてもっと知ってほしい」という思いから始めました。またうちで牡蠣を買ってくれるお客様からも「水揚げするところを見てみたい」という声も多くありました。
小型船に乗船すること自体がまず非日常的な体験。潮の香りとちょっぴり冷たい風が気持ちいい!
漁師さんにかき筏まで船で連れて行ってもらえて、直接いろんなお話を聞くことができる、こういうツアーって珍しいのではないですか?
沖原:始めた当時は、広島県下ではうちだけだったと思います。小型船に乗ることも、我々漁師とこうして直接話すことも、お客様にとっては珍しい体験なので喜んでいただけているようです。昨年開催された「ひろしまの宝物グランプリ2022ー2023」で、この漁場を漁師が案内するかき船ツアーがグランプリを受賞し、広島を代表して参加した『にっぽんの宝物 JAPAN大会2022ー2023 Visit JAPAN Food,Drink & Experience部門 』でも準グランプリをいただいたんですよ。
おめでとうございます!広島を代表する観光コンテンツとして認められたのですね!
沖原:ありがとうございます!
さあ、ツアーはまだ終わってないですよ。最後に私たちが育てた牡蠣の料理もぜひ味わってください!

見学の後は牡蠣料理を堪能!

体験&遊覧を終えたあとは、岸辺にあるテラス席で牡蠣料理を堪能!美しい瀬戸の景色を愛でながら、牡蠣のむき身がたっぷり入った雑炊と殻付き牡蠣を炭火で焼きながらいただけるなんて、朝から幸せすぎます!

牡蠣のむき身がたっぷり入った雑炊。海風で冷えた体が芯から温まります。
一人につき殻付き牡蠣が3つ。自分で炭火で焼きながらいただきます。
殻付き牡蠣って炭火で焼くだけでこんなにおいしいんですね!
沖原:調味料がなくても牡蠣の旨みだけで十分味を感じてもらえると思います。またガスで焼くとどうしてもガスの匂いがついてしまうので、炭火で焼くということにもこだわっています。
今回ツアーに参加したことで、広島の牡蠣がどんな環境で育てられ、そして私たちの手元にどうやって届いているかなどを知るいい機会になったと思います。
沖原:そうですね。このツアーは参加者の皆さんに水揚げを体験していただくのではなく、我々漁師が水揚げする現場を五感で感じ、知っていただくことがテーマとなっています。海上で水揚げする音と潮の香り、そして嚴島神社沖では世界遺産の景色を眺め、陸に戻って自分で牡蠣を焼いて味わう。この全てを一度に体験できる場所はここにしかありません。広島の子どもたちにももっと来てもらって、広島のかきに興味を持ってもらいたいですね。そして「広島はこんなにおいしいかきをつくっているんだ」と誇りに思ってもらえたら嬉しいです。

広島市中心部から車で約30分とアクセスもよく、宮島口フェリー乗り場も近いので、そのまま宮島観光も楽しめます。お子様連れも観光にもピッタリの「かきの水揚げ体験ツアー」。冬休みや春休みに、ドライブがてらご家族づれで訪れてみてはいかがでしょうか。

島田水産「かきの水揚げ体験&嚴島神社沖遊覧ツアー」

広島県廿日市市宮島口西1-2-6

TEL.0829-56-2004

OPEN.10月~5月⇒ツアーは6:50集合7:00出航。※3日前までの事前予約が必要です。詳しくはhttps://shimadasuisan.com/taiken.html

定休.天候や諸事情により中止する場合があります

アクセス
JR宮島口駅前から徒歩約12分・広島市中心部から車で約30分