しまなみ海道の中に位置し、レモンとアートの島として知られる生口島(いくちじま)と、その向かいにある高根島(こうねじま)からなる町「瀬戸田」。この瀬戸田で古きよき面影を残す「しおまち商店街」に建つyubuneは、島の情景が壁一面に描かれた銭湯や、瀬戸内の文化を伝えるライブラリーなどを設けた銭湯宿として、2021年に誕生しました。地元の方をはじめ、サイクリストや海外からの旅人も多く集うyubuneの魅力や地域への思いについて伺いました!
人々が集う社交場としての「銭湯」
広島市中心部から車で約1時間半。尾道市からしまなみ海道に入って3番目の島が生口島です。高速道路を降りて海沿いに車を走らせると、yubuneが位置する「しおまち商店街」に到着しました。街並みに馴染むように建てられたという黒いモダンな外観が印象的。今回は、広報の名部さんに施設についてご紹介いただきました!
yubuneさんが銭湯宿として誕生したきっかけを教えてください。
名部:もともとこの場所をyubuneの姉妹宿のAzumi Setodaという旅館にする予定だったのですが、それだと住民の方があまり利用する機会がないと考えました。島内には銭湯がなかったこともあり、住民の方と旅行者どちらにもご利用いただける施設としてこのyubuneが生まれました。
そうだったのですね。実際に住民の方も多く利用されていますか?
名部:はい。中には毎日来られる方もいらっしゃいます。私たちとしては、住民の方と旅人がこの銭湯を通じて交わる、そんなサロンのような空間になったらすごく素敵だなと思っています。実際に常連さんと旅人が顔見知りになったという話も耳にするので、そんな機会がもっと広がっていくと嬉しいです。
名部:はい。外気浴スペースや水風呂も備えており、ゆったりお楽しみいただけます。
ヒノキの香る客室と、旅を深めるラウンジ「yuagari」
名部:ありがとうございます。客室は国産ヒノキ材をふんだんに使用しており、木の温もりが感じられる空間となっています。また、1階のお部屋はサイクリストの方向けに土間となっており、自転車も一緒にお部屋へ持って入ることができます。
2階には広々としたラウンジがありますが、どのような過ごし方ができるのでしょうか?
名部:こちらのラウンジ「yuagari」は、宿泊者限定のお風呂上がりの休憩所・交流の場としてご利用いただいています。瀬戸田という土地の歴史や文化を感じることができるライブラリーや、この地域ならではの魅力を集めたショップを併設しています。
しおまち商店街や地域との連携
商店街の中にある旅館として取り組んでいることはありますか?
名部:住民の方や食と触れ合う場として商店街の飲食店をご利用していただきたいという思いから、yubuneの館内にはレストランを設けていません。地域全体が連携して相乗的に賑わっていってほしいと思っているので、積極的に地域の魅力も発信しています。
名部:瀬戸田港から見えるサンセットは本当に綺麗なのでぜひ見ていただきたいです。滞在と一緒にそういった島の風景にも触れていただきたいですね。スポットですと、個人的に穴子とタコの料理のおいしい「
お食事処わか葉」さんや、瀬戸内海の景色を楽しみながら食事のできる「
MINATOYA」さんがおすすめです。
商店街をはじめ、素敵なスポットがたくさんあるのですね。最後に、yubuneさんの今後への思いをお聞かせください。
名部:これからも積極的に地域の方と関わっていき、この地域を一緒に盛り上げていきたいと思っています。加えて、yubuneをもっと気軽に来ていただける場所にしていきたいなと思っています。建物がカチッとしているので敷居が高いと思われがちですが、住民の方も訪れるカジュアルな場所であることを伝えていきたいです。
瀬戸田という土地やそこで暮らす人の温もりに触れながら旅を楽しむ、そんな特別な時間を過ごすことができる銭湯宿「yubune」。これから寒くなってくるこの季節、ドライブや街ブラを兼ねて温まりに行くのにぴったりの場所です。ぜひ気軽に足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。