広島市中区で毎年12月に親子向けイベントを開催している「親子で遊ぼうメリークリスマス事務局」。4人のママたちが子育てをする中で感じたリアルな想いや経験を元に、イベントを企画し開催しています。イベントという形になるまでの経緯やこだわり、今後の活動について事務局メンバーの馬屋原志保さんと香川由華さんにお聞きしました。
保育士・会社員からフリー活動へ!出産を機に人生が変わる
事務局メンバーの出会いはどんなきっかけからですか?
馬屋原:中区で手形アート教室をしていた関係で香川さんとはつながりました。そこからお互いの知り合い同士がつながっていって事務局メンバーが結成されました。現在は4名で活動しています。
馬屋原:手形アート教室は2016年から行っています。その他にも幼稚園に入る前の親子を対象にプレ幼稚園風オープンスペースを月に一回開催しています。もともと保育士をしていたのでなにか生かせたらいいなと思って。
保育士をされていたんですか!?じゃあ子どもたちと一緒に遊ぶイベントを考えるプロですね!
馬屋原:プレ幼稚園では朝の会の雰囲気を味わってもらったり、お昼ごはんを各自持参して食べて帰ってもらったり。食事が入ることによって話しやすい雰囲気になるので、ママ同士も交流できる場所をつくりたいと思って開催しています。
保育士時代のころから現在までずっと子どもと触れ合う活動をされているんですね。
香川さんは以前からなにか教室など活動されていたんですか?
香川:私は普通の会社員をしていて。出産を機に、娘と一緒に取れる資格ないかな~と思って出合ったのがベビーマッサージと手形アートなんですよ。育休が終わったら、仕事に戻ろうと考えていたんですけど、長女と離れたくないっていう思いが強くて。会社を退職して、2015年からそういった教室を開くようになりました。
子育てや教室を経験しているからこそ、イベントにくる世代のお子さんが喜ぶ内容やアイデアがたくさん出てくるんですね!
香川:子どもが生まれて人生や考え方がガラッと変わりましたね~。
自分たちの足で積極的にアプローチ
事務局メンバー同士が知り合って、このイベントを始めようと思ったのはどんなきっかけからですか?
馬屋原:当時、広島市には物販メインのお母さん向けイベントが多くて。親子で楽しめるイベントが広島市にはないな~って思っていたんですよ。そこで私たちでなにか親子で楽しめるイベントをやりたいって思ったのがきっかけです。
子どもと一緒に楽しめるイベントがないというリアルな経験がこのイベントの始まりだったんですね!七夕とかハロウィンとかいろんな行事がある中で「クリスマス」を選んだ理由は?
香川:広島市で開催されているイベントの中で「クリスマス」に焦点をあてたイベントだけがなかったんです。だからこれはチャンスだ!と思って。
馬屋原:子どもたちがサンタさんの格好をして集まったらかわいいだろうね~とか考えて。
1回目からCLiP HIROSHIMAの会場を使用されていますが、もともと施設をご存じだったんですか?
馬屋原:2016年に行われた手形アートイベントで出店者としてCLiP HIROSHIMAを使用させてもらったときに初めて知りました。スタッフの方に大きなクリスマスツリーもあるって聞いて。とても開放感があって素敵な会場だったのでやるならここしかないと思いました。
CLiP HIROSHIMAのクリスマスツリーはかなり迫力があって大きいですもんね。 私も初めて見たときは驚きました!
1回目のイベントを開催するにあたって、いろんなことが初めてなので出店者さん集めや告知など大変だったのでは?
馬屋原:つながりのあった出店者さんにまずはお声がけをしました。あとは事務局メンバー全員、イベントに行くことが好きなので、遊びに行った際、気になる出店者さんに積極的に声をかけてスカウトしましたね。
香川:お声がけした出店者さんが他の出店者さんを探してくれたりもして。いろんな方が協力してくれました。告知についてはSNSとチラシで行ったんですけど、特にチラシを配る場所をこだわって。子ども服屋さんなど親子でいきそうな場所にチラシを置かせていただきました。
馬屋原:あとはハロウィンイベントに遊びに来た親子に、クリスマスイベントにも参加してもらえるよう、イベントの主催者さまに事前にお願いして、チラシを配布していただいたりもしました。
すごい!ターゲットに合った場所にチラシを置くなど工夫されているんですね。
馬屋原:全出店者さんやCLiPキャストの方々のご協力もあり、ありがたいことに1回目からたくさんのお客さまにご来場していただいて。皆さまとのご縁に感謝です。
より達成感を感じられますね。イベントの企画立案をしていく中で、仕事・家事・子育てなどいろんなことを両立されていて大変だと思うのですが、時間配分などはどのようにコントロールされているんですか?
馬屋原:今は子どもたちが幼稚園に通っているので日中作業できるようになったんですけど、それまでは子どもたちが寝た後にオンラインでミーティングをしたり。結構夜中に作業することが多かったですね。
えぇ~それは大変でしたね。イベントの準備は何月くらいからスタートするんですか?
香川:8月には出店者募集を始めるので、6月くらいから事務局メンバーは動き始めますね。
半年くらいかけてイベント企画を行っているんですね。
「親子で楽しむ」想いを大切に
今までいろんなパターンのイベントに参加されてきた中で、自分たちのイベントはここを大切にしようなどといったこだわりポイントはありますか?
香川:「親子でなにかやりたい!」という想いはぶれずにイベントを考えていますね。3回目の開催時には、全出店者さんにワークショップをお願いして親子で楽しめるコンテンツを用意しました!
物販というよりは親子で実際に体験、体感してもらっているんですね。
香川:回数を重ねるごとにお父さんも来てくれる家族が増えたので、お父さんも楽しめるようにクイズラリーも行ったり。3回目はいろいろと挑戦しましたね。
馬屋原:お父さんが椅子に座ってずっとスマホを見ているという状況をどうにかしたくて(笑)。
「親子で遊ぼう!メリークリスマス」は「お父さん」にもポイントがあるんですね!
馬屋原:あと「泣き相撲大会」というコンテンツは初回から外さないようにしているんですよ。サンタさんが行司役というのが見どころで、毎回大盛況です。
確かに!このイベントといえば「泣き相撲大会」「サンタさんが行司役」という印象がすごくあります。そもそも「泣き相撲大会」を始めようと思ったのはどんなきっかけからでしょうか?
馬屋原:毎年5月に広島市内で大きい「泣き相撲大会」が行われていて。そのイベントが年に1回なので、タイミングを逃してるお子さんも12月だったらできる!と思って始めました。
タイミングが合わなかったお子さんにチャンス到来!って感じですね。12月だからこそできるサンタさん演出はとても魅力的ですよね。
馬屋原:参加されるお子さんたちには、クリスマスの衣装を着てもらうようにもしていて。ワンポイントのブローチから全身クリスマスのツリーのような衣装までとてもかわいいんです。
イベントを開催していく中でなにか問題に直面したことはありますか?
香川:出店者さんのブース位置が毎年直面する課題です。いろいろ対策は練っているんですけど、やっぱり場所によって誤差が出てしまうというのがなかなか難しい点ですね。
イベントを運営する上ではすごく繊細な部分ではありますよね。
馬屋原:出店者さんにも楽しんで帰ってもらいたいので、今後も対策をしっかり考えて解決していきます。
「心のバリアフリー」を目指して
2020年の夏にオンラインイベント「サマクリ」を開催していましたね。
香川:クリスマスじゃない時期になにかアプローチができたらいいなと思って挑戦してみました。12月のイベントに来てもらえるようにまずは知ってもらうことが重要なので、今後もSNS上でなにか継続的に発信していきたいですね。
今後はどういった形のイベントを考えていらっしゃいますか?
香川:全ての子どもにも楽しんでもらえるような、すべての親子を対象としたイベントをしていきたいですね。
馬屋原:スペシャルニーズのあるお子さんの親御さんは、子どもがお店のものをがっと触ってしまうんじゃないか、走り回ってぶつかってしまうのではないかといった不安を抱えています。そういったお子さんや親御さんが気軽に来れる、「心のバリアフリー」になるようなイベントにしていきたいです。
出産を機に親子で楽しめる様々なアイデア・コンテンツを企画運営している事務局メンバー。イベントを一からスタートさせて成果を出した背景には、自らの足で人とつながり、たくさんの人に楽しんでもらいたいという事務局メンバーの強い想いが込められていました。「クリスマスを親子で楽しむ」という想いを大切に、これからもすべての親子に楽しんでもらえるイベントを企画していきます。