福山市で1929年に創業し、もうすぐ100年を迎える歴史のある和菓子店『勉強堂』。果樹栽培やその農園管理をしたり養蜂をしたりと、地域風土の中で育まれた素材を活かした菓子づくりを行っています。
備後エリアを中心に現在8店舗を構え、和菓子の製造販売のほか果樹の収穫体験、和菓子の普及活動など、幅広い取り組みを行っていることも特徴です。中でも本店で開催されている「和菓子つくり体験教室」は、職人から教えてもらいながら楽しく上生菓子をつくれると人気!
そこで今回は、教室を担当する和菓子職人の加藤彩乃さんに話を聞きました。広島CLiP新聞編集部員が教室に参加している様子も交えながら、和菓子づくりの面白さを紹介します。
以前開催していた教室を、数年前に復活
「和菓子つくり体験教室」は、いつ頃から始まったのですか?
加藤:私が講師を担当する現在の体験教室は、2019年に始まりました。というのも、ずいぶん前に社長が教室を行っていたこともあるんですよ。社長から引き継いで私が上生菓子づくりを担当するようになり、私もここで教室をしたいと思って始めました。
加藤:イベントで和菓子づくり体験の講師をする機会があり、そこで「本店でも開催してほしい」という声をいただいたことがきっかけです。コロナ期間中は教室を1年ほどお休みしていましたが、その後また再開して今に至ります。最初は参加される方が少なかったのですが、今では1日4部制で行うくらい多くの方に参加してもらえるようになりました。
和菓子の面白さや楽しさを伝える場に
少しずつ認知と人気が広まっていった証ですね! 教室ではどんな体験ができますか?
加藤:月1回の開催で、毎回2つの上生菓子をつくります。細かなパーツは事前に私が準備しておき、参加者の皆さんには練り切りを丸めたり広げたり、餡を包んだり、三角棒で線をつけたりと、全体的に形を整えていく部分を体験してもらっています。
加藤:社長が行っていた頃は男性目線の和菓子でしたが、私は可愛い雰囲気のあるものも好きなので、今はそうした和菓子をお伝えできればと工夫しながらやっています。面白さや楽しさを感じてもらえるよう、毎月どんな上生菓子にしようか考えるのは私自身も楽しいですね。
参加者の方に、どんな風に体験教室を楽しんでほしいですか?
加藤:簡単すぎず少し難しいくらいの方が面白いと思うので、つくることを楽しみながら達成感を感じてもらえたらいいなと思います。材料だけを準備した「材料セット」も販売しているので、教室でつくった後に家でもさらにつくることもできますよ。
加藤:娘・母・祖母の3世代で来てくださる家族や、友達やカップル、夫婦など、老若男女さまざまの方に参加していただいています。和菓子に興味のある方ばかりなので自然と参加者同士の会話が生まれやすいし、リピートしてくださる方は顔なじみも増えているようです。つくる、食べる、そしてコミュニケーションも含めて、和菓子の世界に楽しく触れてもらえたらうれしいですね。
和菓子の道へ入って職人としての経験を積み、現在は和菓子職人としての花形・上生菓子の製造を任されている加藤さん。女性としてはとても珍しい和菓子製造技能士1級の資格も持ち、その知識や経験を活かしながら体験教室の講師をしています。
加藤さんが提案する上生菓子は、例えば10月にはハロウィーンのカボチャやお化けをつくるなど、創造性と細やかなセンスが表現されたものばかり。上生菓子を気軽につくれる機会はそうそう多くありませんが、この教室では和菓子を楽しむ喜びを存分に感じることができます。
11月には紅葉、12月にはクリスマスをイメージした上生菓子づくりができるそう。体験教室を通して和菓子をもっと身近に、そして四季をぜひ楽しんでみてください。