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広電ボウル|56年ありがとう。地域に愛されたボウリング場の歴史

広島市中区平野町にあるボウリング場「広電ボウル」が5月25日、閉店します。1970年のオープンから56年。地域に娯楽を届け、時には交流の場として人々に愛されてきました。

話を聞いたのは、広島電鉄の子会社・㈱ヒロデンプラザのボウリング部門支配人・田中裕美さん。田中さんは、大学生のときアルバイトとして広電ボウルで勤務。そして大学卒業後、正社員として入社したという、広電ボウルひとすじの経歴の持ち主です。

今回はそんな田中さんに施設の歴史や、レーンの裏側、ボウリングのコツまで教えていただきました!

支配人の田中裕美さん。田中さんのボウリング自己ベストはなんと300!

広電ボウル生誕と歴史

広電ボウルは1970年にオープンした、ワンフロア40レーンのボウリング場。

日本では1960年〜70年に大きなボウリングブームが起こり、当時はプレイのために2〜3時間並んだり、比較的混んでいない朝の出勤前にボウリングをする人もいるほど人気がありました。

1970年の広電ボウル。多くのお客様が並んでいます。

当時の内装。今と似ていますが、モニターがなくスコアは手書きで集計していました。

広電ボウルはそんなボウリングブームのさなかにオープン。

2026年現在の年間来場数は約12万人。週に1度は利用するというヘビーユーザーの会員が約1,000人にのぼり、毎週なにかのミニ大会が開かれ、子供から高齢者まで参加しています。

しかも最近では、「健康ボウリング」がシニア世代で広まりつつあります。

 

名残惜しい方も多いと思います。閉店の理由は何なのでしょうか?
田中:ブームのときに建ったボウリング場ですから、旧耐震の建物で、老朽化が進んでしまっている、というのが理由です。なんとか継続の道を模索しましたが、苦渋の決断でした。

署名活動報告の紙を見て話す田中さん。
田中:閉店を惜しむ声は非常に多く、1月には会員さんによる存続を願う署名活動もありました。閉店を覆そうというものではなく、「今までの感謝の気持ちを伝えたい」と、半月という短い期間で400名以上の署名を集めていただきました。

個人的には、いつかまたどこかで復活できればと思っています。

ここで働いていたときの、田中さんにとって一番の思い出はなんですか?
田中:一番の思い出は、1994年のアジア競技大会で広電ボウルがボウリング競技の会場となったこと。当時はアルバイトで、後ろから選手を見ていたのですが、各国の選手が来ていて、見たことのない凄まじい投げ方をするんです。コマのようにボールを横回転させながらなげる“UFOボール”を見たのもこの時が初めてで。右手と右足を同時に出す人や、ボールの穴が四つの国もありました。結局、大会はこのUFOボールの人が優勝したんですよ。
ボウリングの世界って広いなあと思いました。

支配人に聞く!ボウリング上達のコツ

ボウリング愛あふれる田中さんに、広島CLiP新聞編集部員がボウリングのコツを伺いました。

まずはボールの選び方。穴に親指を入れても余裕があって、かつ少し重さを感じるものを選ぶことが大切だそう。

そして投球は、右肩の前で構えて、まっすぐ前に出します。

このとき、腕力でボールを投げるのではなく、自分は振り子の支柱になったつもりで、ボールの重さにまかせてまっすぐ投げるのがオススメとのこと。

体からは力を抜き!ボールの重さにまかせて投げる!

これを実践し、自分の腕力で投げてしまわないように、少し重いボールを選ぶのが大切なのです。

3番目の印を教えてくれる田中さん。

また初心者にオススメなのは、レーンに書いてある三角形の目印(スパット)を見ること。

特に右から3番目の印を見て、ボールをそこに通すイメージで投げると安定しやすいそうです。

実際にオイルを触ってみる編集部員。

さらに実は、レーンには毎日、オイルが塗られています。そしてこのオイルは主に手前側に塗られていて、レーン奥には塗られていません。

ボウリングの上手い人を見ると、投げたボールが最初はまっすぐ進んでいるのに、急に曲がってストライクになったりしますよね?

これは、ボールの軌道がオイルの塗り方に大きく左右されるからです。オイルが多いとボールはまっすぐ進み、オイルが少ないと摩擦で大きく曲がる性質があります。

田中さんが示すのは掲示板の「本日のオイルの塗り方」。ほとんどのボウリング場ではこのように掲示してあるそうです。

説明を受けて驚いたのが、戻ってきたボールをタオルで拭くのも、このレーンで付いたオイルを拭くためということ!

特に「マイボール」は表面がガサガサしているので、次の投球で思い通りに投げるには、よくオイルを拭く必要があるそうです。

加えて今回は特別に、レーンの奥にある、普段行けない裏側も見せていただきました!

レーン1本ごとに 一つの機械があり、暇なく動いています。倒されたピンはベルトコンベアで1本ずつ機械の上部へ運ばれます。
機械上部へ運ばれたピンは、自動で正三角形の形になるように並べられ、下のピンが倒されると、このまま黒い柵のような部分がレーンへ降りて、新しくピンがセットされます。

フィナーレへ向けて

広電ボウルのこれまでを振り返る写真展の様子。

フィナーレへ向けて、広電ボウルでは大会やセレモニーなど様々なイベントが行われます。

※詳しくは下記「イベント情報」参照

取材中、29年間毎週通っているという89歳の男性に話を聞くことができました。「なくなるのはとても残念。でもここまで続けられたことに感謝」と。ボウリングを通じて仲間ができ、旅行や大会にも一緒に参加してきたそう。

その方は広電ボウルがなくなれば、今後はペタングやモルックを始めるつもりなんだとか。「ボウリングを身に着けていたら、応用が効く」と軽やかにボールを投げられていました。

また、広電ボウルで使われていたボウリングピンや、今では珍しい木製レーンなどの什器は、一部ほかのボウリング場へ受け継がれます。

ほかにも、今後様々な場所で痕跡を見つけることがあるかもしれません。

それに建物がなくなっても、遊んだ記憶は人々の記憶に残り続けることでしょう。今までありがとう、広電ボウル!

広電ボウル(株式会社ヒロデンプラザ)

広島市中区平野町10−16

TEL.082-243-5000

OPEN.平日 9:00~22:00、土・祝 8:00~22:00、日 8:00~21:00

定休.年中無休(2026/5/25閉館)

アクセス
CLiP HIROSHIMAより徒歩約7分