
広島市中心部からほど近い、西区中広町エリア。そこにひっそりと佇むのが、おしゃれな空間『ba×tsu(バツ)』です。一見するとスタイリッシュなカフェのようですが、実はコーヒースタンドを併設した“プラントショップ”。店内では苔玉(こけだま)作りの体験も楽しめます。

店内に足を踏み入れると、まるでアート作品のように美しくディスプレイされた植物たちが迎えてくれます。特に、毛糸でくるくると巻かれたカラフルな苔玉は、訪れる人の目を引きます。


今回は、この『ba×tsu』の店長・新田さんにお話を伺いながら、広島CLiP新聞編集部員が実際に苔玉作りを体験した様子をご紹介します。
“枠にとらわれない”プラントショップ

店長の新田さんは、もともと趣味で植物を集めて育てていたそうです。これまでに美容師、飲食、営業など、さまざまな業界での経験を積み、昨年からこのショップを任されることになりました。そうした背景もあってか、『ba×tsu』の空間づくりは、従来のプラントショップとは一味違います。

店内は、まるでインテリアショップのように洗練されていて、どこを切り取ってもフォトジェニックな空間が広がっています。そのおしゃれな雰囲気に、「ちょっと敷居が高いかも…」と感じる方もいるかもしれません。そんな声に対して、新田さんはこう語ってくれました。
初心者でも気軽に楽しめる、ゆるやかな植物との出会い。『ba×tsu』は、そんな“入り口”になってくれる場所です。
世界にひとつだけの苔玉作りを体験!
そんな『ba×tsu』で一番人気なのが、苔玉作りのワークショップ。今回は編集部員も実際に体験させてもらいました!

この日選んだ植物は「キングバンブー」。まずはこの植物を新しい土に植え替え、麻布で根を丁寧に包み込みます。その後、麻紐でしっかりと巻いて、丸いフォルムを形作っていくのですが、これが意外と難しい…!

さらに、その上から水苔を重ね、釣り糸を巻いていく工程。この作業で苔がしっかりと固定され、苔玉らしい丸みが生まれていきます。


釣り糸で苔を美しく、そして均等に巻きつけていく新田さんの手さばきは、まさに職人技。
最後に、好きな色の毛糸を選んで、自分だけのスタイルにアレンジしていきます。毛糸の色や巻き方に決まりはなく、自由な感性のままに仕上げていけるのが楽しいポイントです。

素敵な空間で植物と向き合いながら、ゆったりとした時間を過ごします。そしてついに完成したのが、こちら!

自分の手で時間をかけて作った苔玉は、なんとも言えないかわいらしさがあり、自然と愛着も湧いてきます。植物を育てるのがあまり得意ではない編集部員でも、苔玉なら安心。その後のケアは、週に1度、洗面器に水を張って10分ほど浸けるだけという手軽さで、無理なく続けられそうです。

苔玉作りのワークショップは、予約制で毎日開催されているとのこと。初心者でも安心して参加できるので、ぜひ気軽に体験してみてください。
ワークショップ後は、ほっと一息。こだわりのカフェメニューも魅力
苔玉作りが終わったら、ゆったりとカフェタイムを楽しむことができるのも『ba×tsu』ならではの魅力。この日いただいたのは、地元で人気のベーグル店「珊瑚と星」のベーグルと、東京で活躍中の「norakoffee」がこのお店のためにブレンドした特製コーヒー。

ここでしか味わえない、ちょっと特別な一杯とひと口。植物に触れて手を動かし、最後はカフェでほっとひと息、そんな心地良い時間を過ごすことができます。

店名『ba×tsu』には、“掛け合わせ”という意味が込められているそう。植物×体験、植物×カフェ、そして人と人とのつながり。そんな思いを大切にしたこのお店で、カフェでのリラックスタイムと一緒に、友人や家族と植物との新しい出会いを楽しんでみてはいかがでしょうか?