来たる2月28日は「備後府中焼きを広める会」(※)が決定した「備後府中焼きの日」です。府中焼きは、豚バラ肉の代わりにミンチ肉を使い、その脂でそばをカリカリに焼くのが特徴。しかし、実は「ミンチ肉を使っていること」以外、味や焼き方は店舗によって様々です。今回は特に個性が味わえるおすすめの3店をご紹介します!
(※)平成20年に府中市商工会議所と有志によって設立された、府中焼きで地域活性化を目指す団体。
《お好み焼き 福ちゃん》
まず1軒目は2017年にオープンした「お好み焼き 福ちゃん」。和風の建物は、20年ほど前まで仕出しと宴会を営んでいた名残。店内には、カウンター7席と4人が座れる座敷席が2つあります。
「福ちゃん」では薄い生地の上にかつお粉、キャベツ、揚げ玉、そばを載せ、牛ミンチと溶き卵をかけて焼きます。キャベツに卵が浸透し、中はフワフワ。牛ミンチの油で、そばはカリカリに仕上がります。生地の味は店主の福島静子さんが、府中焼きの名店「おかめ(閉店済)」に弟子入りし、引き継いでいるそう。
お好み焼きを裏返した後は、ヘラで丁寧に押さえます。お好み焼きの中央や端などによって押す力を変えるので、真ん中はフワフワ、外はぎゅっと崩れにくく、食べやすい府中焼きになるそう!
「シンプルなのが一番おいしいと思うな」と話す福島さんのお言葉通り、ストレートなおいしさが楽しめました。
《お好み焼き 平の家(ひらのや)》
2軒目は、「お好み焼き 平の家」です。創業から80年以上続いている、ミシュランガイド広島版にも2回掲載された有名店です。古民家を活用した店内は広く、カウンターや座敷席があります。
「平の家」の特徴は、仕上げに生卵をかけること。熱いお好み焼きの上で半熟になり、しっとり、味もまろやかになるそう。
また、そばをカリカリになるまで焼く多くの府中焼きと違い、「平の家」は生地・そば・キャベツの順に重ねることで、柔らかいお好み焼きを作ります。中に入ったイカ天の揚げ玉は、カリカリの食感です。
《お好み焼き・鉄板焼き かたおか》
3軒目は「お好み焼き・鉄板焼き かたおか」。「備後府中焼きを広める会」の会長である粟根克哉さんのお店です。店の名前は師匠のお好み焼き店からいただいたそう。
お客様との距離が近い、アットホームな店内です。
「かたおか」の府中焼きは、「オーソドックス。基本形ですよ」と話す粟根さん。麺の上にミンチ肉を載せて、脂でソバをカリカリに焼いた、「これぞ府中焼き!」という府中焼きを食べることができます。
最後に「備後府中焼きを広める会」の粟根会長から広島CLiP新聞読者の皆様へのメッセージをいただきました。
粟根「外からお客様を迎えるために、会で府中焼きをPRしたいです。また、府中焼きを食べに来たお客様が、帰りに府中家具を買ったり、府中味噌を買ったりして帰る、という環境を作りたいですね」
府中市には、自然や歴史を感じられる伝統的な名所もたくさんあります。2月28日の「備後府中焼きの日」当日は限定の特典や割引を行うお店も多いので、ぜひ府中市へドライブに訪れてみてはいかがでしょうか。