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木村兄弟雑貨店|作家さんこだわりの雑貨&ギャラリースペース

広島市中区東千田町の御幸橋西詰通り沿いに、「東千田アパートメント」という築60年の木造アパートがあります。ここでは現代アートの展示会・イベントを行うアートスペースやユニークな生花店、オーダーメイドの革製品を作る革作家など、さまざまなクリエイターが集まり、それぞれの個性を生かしたお店を構えています。

過去に取材したフラワーショップ「miji華bana」もこのアパートで店舗を構えています。

その一角に、どこか懐かしさを感じる昭和レトロな看板が印象的な『木村兄弟雑貨店』があります。このお店では、地元愛あふれるオリジナル雑貨や、広島県内外の素敵な作家さんの作品を取り扱っています。また、店内のギャラリースペースでは個展やワークショップ、イベントが定期的に開催されます。

初めて訪れる方の中には「ちょっと入りづらい」と感じる方もいるかもしれませんが、実際にはとてもアットホームな雰囲気のお店です。今回はそんな『木村兄弟雑貨店』の魅力についてご紹介します。

作家さんオリジナルのこだわり雑貨

お店に入ると、「こんにちは〜!」と店主の高橋さんが明るく迎えてくださいました。

気さくで柔らかい人柄が魅力の店主、高橋さん。通称“きむさん” として親しまれています。
お店の名前から、てっきりご兄弟が経営されているのかと思いました。
高橋:そう思っていらっしゃる方も多いようです(笑) 。実は店名は4軒隣にある『木村兄弟洋服店』に由来しているんです。『木村兄弟洋服店』は3兄弟だった祖父が昭和5年に創業したテーラーで、現在は父が受け継いでいます。印象的で覚えてもらいやすいという理由から、お店の名前に使わせてもらいました。
昔ながらのスタイルを引き継ぐテーラー『木村兄弟洋服店』は、創業から95年を迎えました。背広やベストの仕立てには、長年培われた職人の技が息づいています。

店内では、作家さんが一点ずつ丁寧に作ったオリジナル作品を販売しています。量産されたものや流行に左右されるものではなく、高橋さん自身が選んだ作家さんの作品や、自ら手がけた雑貨が並んでいます。

特に目を引くのは、広島で活動されている作家『SUNBATON(サンバトン)』さんのバッグや巾着。小さなアトリエで一つ一つ丁寧に作られたバッグは、シンプルで美しいフォルムと丈夫さを兼ね備え、長く愛用できるよう工夫されています。

『SUNBATON(サンバトン)』さんのカバンは、美しさと実用性を兼ね備えています。

そのほかにも、東京を拠点に活動するイラストレーターのペーパーアイテムや手作りの子ども服など、他ではあまり見かけないアイテムが揃っています。

イラストレーターである『nemunoki』さんのイラストが描かれたペーパーアイテム。『nemunoki』さんが文通友達を募集していたことから偶然知り合い、文通を通じて親交を深め、今もこうしてお店に作品を置いているという素敵な関係。
『POWAN(ポワン)』さんの子ども服。オムツを履いた子どもでも着られるよう、ぷっくりとしたシルエットに。カラフルで可愛らしいデザインも魅力的です。

また、店内には高橋さん自身が制作した雑貨も並んでいます。中でも代表的な作品が、ロシアの民芸品「マトリョーシカ」をモチーフにした作品です。20年以上前から手がけており、広島ならではのカープやサンフレッチェのチームカラーを取り入れたデザインもあります。

大小さまざまな大きさのマトリョーシカは、「菩提樹(ぼだいじゅ)」という木からできており、高橋さんが一つひとつ絵付しています。
高橋さん作のイヤリング。まるで刺繍のようですが、じつは粘土で作られているのだそう。

気軽にワークショップ体験も!

『木村兄弟雑貨店』のギャラリースペースでは、展示がない期間中、誰でも気軽に制作体験ができます。

ギャラリースペースでの展示風景
高橋:商品を買わないと入りにくいと思われる方もいますが、全くそんなことはないんです。ふらっと立ち寄って、切手を貼ってオリジナルのハガキを作ったり、小さなフレームをデコレーションしたり、ちょっとしたワークショップを気軽に体験して楽しんでもらえたら嬉しいです。
ワークショップで使用するのは、色とりどりの海外の切手。どの切手を使うか選ぶ過程もワクワクしますね。
高橋:ものづくりって、道具を揃えたりするのが大変で、なかなか始めづらいですよね。でもここでは必要な道具が揃っているので、誰でも気軽に楽しめます。小さなお子様も大歓迎で、親子で一緒にワークショップに参加する方も多いですよ。ものを作る楽しさを感じてもらえたら嬉しいですね。

20周年を迎えた思い

学生時代から雑貨や制作が好きで、「いつか自分のお店を持ちたい」という夢を持っていた高橋さん。広島市内の雑貨店で働きながら自作の雑貨をさまざまな店舗に卸し、2005年に南区的場町で念願のお店をオープン。その後、出産を機に現在の東千田町へ移転し、今年で創業20年を迎えます。

20周年を迎える節目の年ですね。今後の展望をお聞かせください。
高橋:これからは、雑貨販売だけでなく、喫茶やちょっとした音楽イベントもやってみたいなと思っています。ものづくりも好きですが、もともと接客が好きなんです。気軽に立ち寄って、ゆっくり過ごしたり、おしゃべりしたりできるような、そんな居心地の良い空間を目指したいですね。

高橋さんが大切にしてきた「ものづくり」と「人とのつながり」への思いが詰まった『木村兄弟雑貨店』。ふらっと立ち寄りたくなる、そんな心地よい場所で、ぜひ自分だけの特別な一点との出合いを楽しんでみてください。

木村兄弟雑貨店

広島市中区東千田町2丁目13-18

TEL.082-249-8190

OPEN.13:00~17:00

定休.月・日曜日、祝日

アクセス
広島電鉄・御幸橋駅より徒歩約2分