
広島市中区東千田町の御幸橋西詰通り沿いに、「東千田アパートメント」という築60年の木造アパートがあります。ここでは現代アートの展示会・イベントを行うアートスペースやユニークな生花店、オーダーメイドの革製品を作る革作家など、さまざまなクリエイターが集まり、それぞれの個性を生かしたお店を構えています。

その一角に、どこか懐かしさを感じる昭和レトロな看板が印象的な『木村兄弟雑貨店』があります。このお店では、地元愛あふれるオリジナル雑貨や、広島県内外の素敵な作家さんの作品を取り扱っています。また、店内のギャラリースペースでは個展やワークショップ、イベントが定期的に開催されます。
初めて訪れる方の中には「ちょっと入りづらい」と感じる方もいるかもしれませんが、実際にはとてもアットホームな雰囲気のお店です。今回はそんな『木村兄弟雑貨店』の魅力についてご紹介します。

作家さんオリジナルのこだわり雑貨
お店に入ると、「こんにちは〜!」と店主の高橋さんが明るく迎えてくださいました。


店内では、作家さんが一点ずつ丁寧に作ったオリジナル作品を販売しています。量産されたものや流行に左右されるものではなく、高橋さん自身が選んだ作家さんの作品や、自ら手がけた雑貨が並んでいます。
特に目を引くのは、広島で活動されている作家『SUNBATON(サンバトン)』さんのバッグや巾着。小さなアトリエで一つ一つ丁寧に作られたバッグは、シンプルで美しいフォルムと丈夫さを兼ね備え、長く愛用できるよう工夫されています。

そのほかにも、東京を拠点に活動するイラストレーターのペーパーアイテムや手作りの子ども服など、他ではあまり見かけないアイテムが揃っています。


また、店内には高橋さん自身が制作した雑貨も並んでいます。中でも代表的な作品が、ロシアの民芸品「マトリョーシカ」をモチーフにした作品です。20年以上前から手がけており、広島ならではのカープやサンフレッチェのチームカラーを取り入れたデザインもあります。


気軽にワークショップ体験も!
『木村兄弟雑貨店』のギャラリースペースでは、展示がない期間中、誰でも気軽に制作体験ができます。


20周年を迎えた思い
学生時代から雑貨や制作が好きで、「いつか自分のお店を持ちたい」という夢を持っていた高橋さん。広島市内の雑貨店で働きながら自作の雑貨をさまざまな店舗に卸し、2005年に南区的場町で念願のお店をオープン。その後、出産を機に現在の東千田町へ移転し、今年で創業20年を迎えます。

高橋さんが大切にしてきた「ものづくり」と「人とのつながり」への思いが詰まった『木村兄弟雑貨店』。ふらっと立ち寄りたくなる、そんな心地よい場所で、ぜひ自分だけの特別な一点との出合いを楽しんでみてください。