アウトドアブームとともに高まりつつある、カスタムカーの人気。実際に愛車をカスタマイズして仕事や趣味を楽しんでいる、カスタムショップ『広島トヨペット+ONEDER吉島』店長・小松健一さんとアウトドア用品の制作販売を行う『野良道具製作所』代表・里﨑亮さんの2人に、カスタムの魅力や普段どのように楽しんでいるかを教えてもらいました。
モトクロスと魚突き、趣味を楽しむためのカスタム
小松さんは、これまでどんな風にクルマのカスタムを楽しんできましたか?
小松:18歳頃からモトクロスをしているのですが、レースへ出るためにバイクを乗せて各地を移動したいということがきっかけでハイエースに乗り始めました。それ以降ハイエースは4台乗り継いでいて、その時々でバイクを積みやすいようにカスタムしています。
4台はすごいですね! ハイエースを選ばれたのは、バイクの積みやすさや移動のしやすさからですか?
小松:そうですね。レース会場で人のクルマを見ては、「こうした方がいいかな」とちょっとずつ自分に合うように工夫していきました。30代半ばからはトライアスロンも始めたので、今では自転車を乗せることもありますね。
里﨑:トライアスロンにチャレンジするって、本当にすごいと思います。僕は子どもの頃から海に潜って魚突きをするのが好きで、実は今朝も島根県浜田市まで潜りに行っていました。
小松:以前インスタグラムで魚を載せていたと思いますが、それも自分で突いたんですか?
里﨑:多分クエを載せた写真かな、それも素潜りで突きましたね。
小松:けっこう大きかったのに、素潜りで突くってすごいですね。もうプロですよ!
里﨑さんは魚突きはもちろんキャンプも楽しまれていると思いますが、そうした場には自分でカスタムしたクルマで出かけているんですか?
里﨑:そうですね。魚は早朝と夕方によく獲れるので、魚突きをするのはその時間帯になります。早朝に海へ入るなら前日に行って泊まりたいし、夕方に入るなら夜そのまま泊まりたい…という感じで、車中泊をするようになりました。だからクルマに求める機能としては、車中泊ができるかどうかでした。
小松:車中泊しやすいように、シートを手直ししたりとか?
里﨑:それが僕はカスタムに関する知識が全然なくて、シートを倒して寝られればいいやっていう感覚だったんですよ。最初は、横になっても余裕で寝られるダッジのバンを購入しました。荷物を満載にしてもシートを倒さず横になって寝られるので良かったです。その後はグランビアを手に入れて、今はDIYで車体に色を塗ったりしながら楽しんでいます。
小松:発売当時「最高級ミニバン」と呼ばれていただけあって、グランビアは中が広くて寝やすいし、使っている部品も良いですよね。
里﨑:今朝の魚突きもこのグランビアで行ってきました。車中泊をする流れでキャンプもするようになり、海辺で焚き火をしてコーヒーを飲んだりラーメンを食べたりするときに、もっと使い勝手の良いものが欲しいと考えて開発したのが「野良ストーブ」だったりするんですよ。
自分らしさを追及できるカスタマイズ
お二人それぞれ、クルマのカスタマイズにはどんな魅力があると思いますか?
小松:自分仕様にできることが一番ですよね。僕自身はバイクを積みやすいようにカスタムしたり、寝泊りしやすいようにしてきました。特にボディ色に関しては昔より今の方が自由度が高いので、より自分らしさを追求できると思います。
里﨑:特にハイエースはカスタムしがいがありますよね。生産期間が長いからノウハウもあるし、事例も多いし。僕みたいな素人が例えばハイエースをカスタムしたいと思ったとき、ネットで調べて「こんなこともできるんだ」というのがイメージしやすいです。
小松:自分自身でカスタムを楽しむこともできるし、『+ONEDER吉島』のようなカスタムショップにご相談いただいてプロと相談しながら形にしていくこともできますね。
仕様のバリエーションはさらに豊かに
『+ONEDER吉島』では、どのようなカスタマイズの希望が多いですか?
小松:ベッドやボディ色を自分好みにしたいというご希望が多いですね。キャンプで車中泊をしたいとかペットと一緒に旅行を楽しみたいとか、カスタム後にどうクルマと付き合っていくかはお客さまそれぞれで異なるので、理想やイメージをお聞きしながらカスタマイズのご提案をしています。
里﨑:確かにカスタムすること自体の楽しさはもちろんありますが、その先の目的が重要になりますね。お客さまのご希望の中で、何か印象的だったものはありますか?
小松:ハイエースは人がまっすぐ横になって寝られるのが特徴ですが、その場所を愛犬の遊び場としてカスタムしたことがあります。車を運転していてもルームミラーで見える場所なので、愛犬の様子も分かって安心なんですよ。
里﨑さんも、お客さまからカスタムのご相談とかを受けることはありますか?
里﨑:変わったクルマに乗り始めてから、カスタムに詳しい人だというイメージができたようでご相談いただくことが増えました。ただ僕はプロではないから、仕様に関しては自分の好みや経験でしか伝えられないので、カスタムショップをご紹介することも多いです。
小松:どんなカスタムでも最終的には目的が大切になるので、ポイントを押さえながら自分好みにカスタマイズして、遊びや仕事をより充実させる一台をつくってほしいなと思います。
小松さんや里﨑さんがそうだったように、カスタムカーには自分の趣味やライフワークが強く反映されるからこそ、「自分とともに生きる」一台に育っていきます。仕事に趣味にとアクティブな日々を支える相棒としての、世界に一つだけのクルマ。カスタム談義が止まらない2人の姿を見て、大人だからこそ「好きを追求できる喜び」がカスタムカーにあることを実感しました。
◇『野良道具製作所』里﨑さんの紹介記事はコチラ