マツダスタジアムのグラウンド面積より広い約1.7haの敷地を有する安芸郡熊野町の「トモ・ビオパーク」。その広大な公園が、人の手で切り開かれ、人工的なものを加えず作られたとは驚きです。「子どもたちが自然の中で遊び、自然の中から学びを発見してほしい」と願う土地所有者が、自ら開拓を始めたのが11年前。公園は徐々に広がり、2021年には雑貨店や地元野菜の販売所、カフェもオープンしました。
子どもが五感を使って遊べるように
荻野:里山遊びが好きだった社長が、子どもの頃からの仲間と一緒に作り始めたのがトモ・ビオパークです。次世代の子どもたちに、自然の匂い、手触りなど五感を使って感じてほしいと、いつも熱く語っています。
菅田:遊具は木や竹を使って、社長やその仲間、私たちスタッフが手作りしています。木の枝にロープをつるしたブランコやハンモック、竹を複雑に組み合わせたアスレチックなどがありますよ。
荻野:例えば、街中の公園にある滑り台は、“滑るもの“と決められていますが、パークの手作り遊具は、子どもたち自身で遊び方を考えるところから始まります。足や腕をのびのびと使って、体の機能も強くしてほしいですね。
子どもたちが自分で遊びを作るのですね。とても楽しそうです。
菅田:竹馬に乗ったり、シロツメクサで冠を作ったり。自然の中で遊ぶ方法は無限にあるので、みんな夢中です。
荻野:これからの季節は、水深の浅い「じゃぶじゃぶ池」やパーク内を流れる川で水遊びを楽しむことができますよ。
イベント多彩。BBQやキャンプもできる
菅田:パーク内の畑で野菜の収穫体験や、野外での音楽フェス、寄せ植えワークショップなど、季節に合わせてさまざまなイベントを催しています。2022年4月には、サクラをライトアップした「夜桜イルミ」を開き、夜のパークを楽しんでいただきました。
荻野:パークは自然がテーマ。私たちが何かを作るというより、ありのままの自然が四季を感じさせてくれます。
荻野:BBQブースは4ブースあり、イタリア輸入のおしゃれな窯で薪焼きのBBQを楽しんでいただけます。他に、1日1組限定で、個室感のあるBBQVIPブースもあり、家族や仲間と周囲を気にすることなく一日中過ごしていただけますよ。
菅田:キャンプスペースはBBQエリアの近くと、プライベートエリアの2ヶ所あります。BBQもキャンプも、プライベートエリアはペット連れでも利用可能。どちらも予約制で、電話で受け付けています。
「さとの駅」では熊野地域で収穫された新鮮な野菜を販売していますね。
荻野:野菜の他にも、洋服やバッグなどの服飾系、食器やクッションカバーなどのインテリア系雑貨を販売しています。さらに子どもと遊びにきたママがひと息つけるようなカフェも併設しています。
世界からたくさんの人が訪れる場所にしたい
荻野:もっと認知度を高めて、地域の皆さまや広島県内、他県、世界などからたくさんの人が訪れる場所にしたいですね。多くの人と関わりながらみんなと一緒に、子どもたちが自然と生きられるような環境を作り上げていきたいです。
心地良く肌に触れる風、澄んだ空気の匂い、鳥のさえずりや虫の羽音、美しい緑のグラデーション・・・。五感を刺激する自然の中で、子どもの想像力はきっと無限に広がります。それは大人も例外ではないはず。トモ・ビオパークに出掛けたら、まずは両手を広げてゆっくり深呼吸してみてくださいね。