
広島市内から車で約1時間。湯来・湯の山温泉街道を進んだ山あいの一角に、異国情緒あふれる外観のレストランが現れます。『BaKuRo(バクロ)』で味わえるのは、地元食材を使った本格ギリシャ料理と、店主が自ら育てた麦を挽いて焼き上げる香ばしい全粒粉パン。店主の原田 雄二朗さんに、お店の魅力についてお聞きしました。
スパイスと素材を活かした、親しみやすいギリシャの味

ギリシャ料理は、オリーブオイルやトマトを多用するスペインなどの地中海料理に近く、トルコ料理のようにスパイスの効いた、世界中で親しまれている料理のひとつ。
料理を手がけるのは、原田 雄二朗さん。19歳で初めて海外へ渡り、そこから料理の世界へ。ギリシャでの9年間の滞在を通して、本場の食文化を学びました。


さまざまな旬の味わいが楽しめる、ランチの前菜プレート。この日はスイカとフェタチーズ(ヤギミルクのチーズ)のサラダや、ビーツとギリシャヨーグルトのブルスケッタなど、彩りも楽しい品が並びました。肉厚で濃厚なフルーティなカラマタオリーブ(ギリシャのオリーブ)が添えられ、スパイスの香りがふわりと広がります。

ランチメニューのメインは数種類から選べます。たとえば、スパイスが効いたミートソースとベシャメルソース(ホワイトソース)が絶妙に絡み合う、ギリシャの定番料理『ムサカ』。そのほかにも、スパイシーな鶏もも肉をのせたハーブライス『スブラキリジ』や、ギリシャ風パスタなど、本場の味わいを楽しめるラインナップです。
ヨーグルトやオリーブオイル、クミンやナツメグなどを使い、現地の味を丁寧に再現した原田さんのギリシャ料理。若い方からご年配の方まで幅広く支持され、近隣はもちろん、遠方から訪れるリピーターも少なくありません。
旬の地元野菜と自家製全粒粉パンで、地元の恵みを味わう

BaKuRoの魅力のひとつが、自家製の全粒粉パン。使われているのは、お店の近くにある畑で自ら育てた小麦で、毎年6月ごろに収穫されます。収穫後は保冷庫で保管し、必要な分だけをその都度丁寧に製粉してパン作りに活用しています。

もともとは、約40年前に原田さんの叔母がこの場所で始めたカフェベーカリーがルーツ。その当時から続く小麦畑を、原田さんが引き継ぎました。

さらに、素材へのこだわりはパン以外にも。野菜やお米は湯来町や近隣の農家から仕入れ、夜のコースでは地元で獲れたイノシシ肉も提供することも。店を構えてから少しずつ築いてきた地元の生産者との繋がりを大切にしながら、「湯来町ならでは」の味を一皿ずつ丁寧に届けています。
ギリシャ料理の魅力を、もっと広めたい。

DIYで改装された店内は、ヨーロッパの雰囲気に彩られ、旅先でふらりと立ち寄ったような空間が広がります。自然に囲まれた静かな場所で、ゆったりとした時間を過ごせるのも、『BaKuRo』ならではの魅力です。

そんなお店のディナータイムは、なんと2名から貸し切りが可能。夜は完全予約制のおまかせコースを提供しています。ランチタイムでは味わえない“もっとディープな”ギリシャ料理を楽しみたい方にぴったり。


異国の景色を想像しながら楽しむ、ちょっと特別なひととき。山あいの自然に包まれた湯来町へ、ドライブがてら立ち寄ってみませんか?