1cmサイズの折り鶴がペン軸に収められた「おりづるペン」。G7広島サミット開催に先駆けて、昨年広島サミット県民会議の応援商品に選ばれました。株式会社八重洲の山本淑子専務取締役は、愛らしい鶴の羽に核兵器廃絶への思いを乗せています。
指先で折る極小の折り鶴
「おりづるペン」の中の折り鶴は一つ一つ手作りなのですね。
山本:1cm角の折り紙を、指先と先の細いピンセットやはさみを使って丁寧に折っています。
山本:商品開発当初は私一人で折っていましたが、今は作業所などに委託しています。全てが小さくて根気のいる作業ですが、皆さん上手に作るんですよ。障がい者の雇用創出にもつながっていてうれしいですね。
折り鶴以外にビーズもあしらっていて、かわいらしいですね。
山本:折り鶴とビーズの組み合わせは、作り手が一つ一つ自由に装飾しています。同じデザインがない、唯一無二のペンです。
G7各国をイメージした「おりづるペン(G7)」
G7広島サミットに先駆けて、特別仕様の「おりづるペン」を作ったと聞きました。
山本:折り鶴の組み合わせが参加国それぞれの国旗カラーになっています。昨年、広島サミット県民会議のサミット応援商品にも選ばれました。
山本:G7広島サミットでは、原爆を持っている国の首相も広島にやってきます。原爆を持っているからこそ、広島の過去を知ってほしい。核兵器廃絶の思いからG7広島サミットの成功を応援しています。
特技が平和を願うアイテムに
山本:私は子どものころから折り鶴を折ることが好きでした。ペンの前に折り鶴のピアスやイヤリングを商品化し、今もekieやおりづるタワー、原爆資料館などで、広島ならではのお土産品として販売しています。
山本:だけど、アクセサリーは使う人が限られます。コロナ禍で観光客が減ったとき「もっと多くの人が使えるアイテムがいい」とアドバイスをいただきました。社内から「ペンなら誰でも使えるのではないか」と提案があり、「おりづるペン」を制作しました。
山本:折り鶴をペン軸の中で固定するのが難しかったです。紙質と合う台を見つけるまでいろいろ試しました
山本:広島は原爆投下直後だけではなく、その後も健康被害や差別など苦しい時期が続きました。小さな1cmサイズの折り鶴が世界中に飛んで行き、核兵器廃絶を願う広島の人々の思いが届くことを願っています。
ペンを持つたび目に映る小さな折り鶴に、平和への大きな祈りが込められていました。穏やかに過ごせる日常の大切さを感じる「おりづるペン」。自分用にも大切な人へのプレゼントにもおすすめです。