豊かな自然に囲まれた丸馬場柵の中で、のんびりと草を食む馬たち。ここは、広島と東京でアイドル活動を行うI LOVE U@あいりさんが手掛ける、安芸高田市美土里町の「馬カフェ」です。
馬カフェ『カジュアルホースパーク ウマル』オープンへの思い、自身が馬に心引かれている理由、これまでとこれからの取り組みについて、あいりさんが馬と触れ合いながら教えてくれました。
人と馬がもっと身近になれる場所を
あいり:東京で、乗馬や流鏑馬など馬の文化を応援するアイドルグループに加入したことがきっかけです。活動をする中で引退競走馬のセカンドキャリアやホースセラピーについて学んで、人と馬ってすごく身近な間柄だと感じたんです。
あいり:はい、その活動を通して私も馬に乗るようになりました。触れ合うことで癒しをもらいますし、馬にも意思があるのでコミュニケーションをとることが楽しいです。馬の持つ魅力や可能性を私自身が感じたので、人と馬がもっと身近になれる場所をつくりたいと思って動き始めました。
みんなと一緒につくり、育てる施設
現在『カジュアルホースパーク ウマル』オープンに向けて準備中とのことですが、これまでどんな取り組みをされてきましたか?
あいり:国内の乗馬クラブへ伺う中で、ここ安芸高田市美土里町の『エオの谷・ノースシーグル』さんと出会いました。オーナーさんは1人で乗馬ができる環境をつくったり馬のお世話をされていて、手づくり感のある施設なんです。私の思い描いた形に近く、いろいろと学びたいと思いました。
あいり:はい。馬を飼うとなると、餌のことや病気になったらどうするかなど、馬への責任がもちろんあります。それに私は資金ゼロから始めたので、その面をどうしていくかも模索していました。このご縁をきっかけにエオの谷の施設横にある放牧地を借りることができたので、ここでウマルを始めることにしました。
あいり:今はまだ厩舎などの建物はないので、放牧地の草刈りやエオの谷にいる馬のお世話がメインです。草刈りがまた大変で、夏は刈ってもすぐに伸びるんですよ。ウマルは施設をつくる段階からお客様に一緒に参加してもらいたいと思い、SNSでボランティア参加してくれる方の募集も行いました。すると地元の方はもちろん東京から来て下さる方もいて。一緒に草を刈ったりイベント前には準備をしたりと、みんなで少しずつ準備を進めています。
あいり:おやつをあげたりブラッシングしたり、乗馬したり、馬と触れ合うことができます。ウマルでは馬と仲良く身近になれる方法を伝えていきたいので、馬が喜ぶおやつのあげ方をはじめ馬にとって過ごしやすい環境のつくり方を大切にしています。その他には薪割りやテントサウナなど自然に囲まれているこの場所だからできる体験や、フードやドリンクの販売もご用意して、馬と自然に癒される時間が過ごせますよ。
馬を通して地域とつながる
あいり:馬場の中に厩舎を建てて、ウマルの馬を迎え、お客様にいつでも馬に会いに来てもらえる環境をつくりたいです。カフェもつくって、カフェから馬を見ながらコーヒーが飲めたり、馬場の中でお茶しながら馬と触れ合えるようにもしたいと思っています。「馬カフェ」と表現しているのは、猫カフェのように近い距離で触れ合いながらゆっくり過ごしてもらえる場所にしたいと思ったからなんです。
あいり:かなり先の将来の夢としては、安芸高田市内でウマルやほかの観光スポットを結ぶ馬車を走らせたいです。川も緑も空もきれいな自然豊かな場所なので、遊びに来てもらった人に馬車で巡ってもらうことができたらいいなと考えています。
あいり:ホースセラピーはもちろんですが、地域と根差した取り組みが地域振興に繋がり、そこから雇用を生み出すきっかけになるかもしれないし、馬が持つ可能性はとても広いと思っています。もともと農耕馬として人と馬がともに暮らしていた時代もあるので、ウマルを通して人と馬とが身近になれる環境を形にしていきたいです。
現在は、6月1日(土)夜に開催予定のイベント「ナイトウマル」の準備を進めているというあいりさん。今秋には安芸高田市の地域おこし協力隊の活動のため本格移住し、より地域に根差しながら馬カフェづくりにも励んでいくそう。イベントでは、『カジュアルホースパーク ウマル』オープンへ向けて挑戦中のあいりさんに直接話を聞くこともできるので、ぜひ足を運んでみてください!