近年、キャンプやアウトドアのブームとともに「ガレージブランド」が注目されているのをご存知でしょうか。
ガレージブランドとは、小規模ながら高品質でオリジナリティ溢れるアイテムを製作するブランドを指し、コアなキャンパーやアウトドア愛好家に支持されています。元々はアウトドア好きがガレージのような小さなスペースで自作のプロダクトを楽しんでいたことが名前の由来だそうです。
今回は三原市でガレージブランドを中心に取り扱うアウトドアショップ『INITIUM(イニティウム)』を訪ね、店主の宮下さんにその魅力についてお話を伺いました。
「始まり」の場所『INITIUM』
尾道市出身の宮下さんは、高校卒業後、東京でアパレルの輸入販売やトリミングサロン、飲食業など、さまざまな仕事に携わってきました。そんな宮下さんが三原市でアウトドアショップをはじめた背景を伺いました。
宮下:約15年前ふとしたきっかけでキャンプをする機会があり、偶然立ち寄ったアウトドアショップで出会った店員さんからギア(※)の魅力や面白さについて教えてもらったんです。それまでキャンプ用品に関して全く知識がなかったのですが、その時をきっかけにアウトドアに熱中するようになりました。
(※ギア:キャンプ道具やキャンプ用品のこと)
宮下:そうやって熱中していく中で、当時広島にはまだガレージブランドを取り扱ったアウトドアショップがほとんどありませんでした。せっかくなら地元に近い場所で自分のお店を持ちたいという思いがずっとあり、ようやく2年前に『INITIUM』をオープンしました。
自分の好きなことが仕事に繋がるというのは理想的ですね。店名の由来は?
宮下:『INITIUM』にはラテン語で「始まり」という意味があります。この場所をきっかけに、ガレージブランドの魅力を知ってもらいたいという思いや、アウトドア好きの方たちが繋がりを持つ始まりの場所であってほしいという思いが込められています。
ガレージブランドの魅力と、こだわりのアイテムをご紹介!
宮下さんの思うガレージブランドの魅力は、どんなところにあるのでしょうか?
宮下:このお店に置いてあるギアは、正直持ってなくてもキャンプはできます。でも、「もっとかっこいいものを、お洒落なものを、自分に合ったものを」といったこだわりが、キャンプやアウトドアの時間をより豊かで楽しいものにしてくれるんです。その楽しさを仲間と共有する時間も含めて、ガレージブランドの魅力だと思います。
現在は30を超えるガレージブランドを取り扱っており、広島県内では『INITIUM』でしか購入できない商品も多数あるそうです。
宮下:この半円の焚き火台はすごくコンパクトに折り畳みできることから非常に人気です。また、店頭のグラスは人気YouTuberが手掛けるガレージブランドの商品で、こちらもよく売れています。
宮下:そのほかには、ナイフやトングもよく売れます。デザイン性も優れていますし、使いやすく比較的手頃な価格帯ということもあって、キャンプを始めたばかりの方にもおすすめです。
お気に入りのギアを手に入れると、人に見てもらいたくなりますね。
宮下:そうなんです。キャンプ仲間と集まると、ついついギアの話で盛り上がります。お互いの持ち物を見せ合うのが楽しくて仕方ありません。その結果、僕たちキャンパーはどんどん荷物が増えてしまうんですよね…
繋がりを生む唯一無二の場所に
ギアを選ぶ際に色や素材・デザイン性・オリジナリティを追求し、それらをコレクションしたり身にまとったりする過程に楽しさや充実感を感じられることがガレージブランドの魅力。そして「なくてもいいこだわり」が醍醐味だと教えてくださった宮下さん。
三原でお店を開いたことで、自分とだけでなくお客様同士の交流も生まれるようになったそうです。今では、そこからアウトドア好きが集まる「ミハラタキビクラブ」というグループが誕生し、年に2回キャンプイベントを開催しています。店名「INITIUM=始まり」の通り、このお店を拠点に同志で繋がる交流の輪が広がっています。
今後は『INITIUM』オリジナルの商品も展開していきたいと話す宮下さん。一歩踏みこんだアウトドアの楽しさと、ガレージブランドの魅力を感じられる唯一無二のこの空間にぜひ足を運んでみてください。