
広島市中区吉島町にある「DIY & Materials Pro Shop maru-maru」。防水工事や外壁改修、リフォーム、建材販売を手がけるマーテックス株式会社が運営するショップです。店内には、色とりどりのタイルや塗料、左官道具などがずらりと並んでいます。
今回は、毎月開催されるワークショップの中でも一番人気の「カフェトレイつくり」を体験。建材部係長の梶山さんと、広報担当主任の吉野さんに、ワークショップを始めたきっかけや、活動に込めた思いを伺いました。

捨てられるはずだったタイルから生まれたワークショップ

そんなタイルを生かし、建材や建築のことを楽しく知ってもらいたいと、梶山さんが企画したのがこのワークショップ。トレイの枠も、取引先の大工さんから譲り受けた木材の端材を使って手作りしているそうです。

ワークショップは月数回、各回5名ほどの少人数で開催。今年の8月には初めて夜の回を開催しました。
参加者の多くは、Instagramを見て申し込むそうです。親子で参加する際は、スタッフが子どもの作業をサポート。保護者の方からは「久しぶりに集中できる時間を過ごせた」という声も届いているそうです。
いざ体験!カフェトレイつくりで実感する職人の技
まずは、タイルを選んでデザインを決めます。用意されるタイルは、工事で余ったものを使うため毎回異なります。どんな色や形に出会えるかは、参加してからのお楽しみです。

配色が決まったら、タイルを仮止めし、マスキングテープで木枠の縁を保護します。ポイントは、タイル同士の間と、タイルと木枠の間に2mmの隙間を空けること。この隙間を「目地」といいます。

続いて、水を加えて練った目地材を隙間に詰めていきます。プロはコテを使いますが、扱いが難しいため、ワークショップではスポンジを使います。

最後に、水を含ませて固く絞ったスポンジで、表面を何度もやさしくなでて整えます。少しずつなめらかになっていく感覚が心地よく、思わず夢中になりました。丸1日乾かし、翌日に表面を軽く拭けば完成です。

実際に体験してみると、一つひとつの工程に職人の技があることに気付きます。木枠を保護する「養生」では、角にきれいにテープを貼るのが難しく、私たちは大苦戦しました。目地材は表面に伸ばすだけでなく、上からしっかり押し込まないと、内部に空気が残ってひび割れの原因になるそうです。
自分の手で作ってみたからこそ、きれいに仕上げる難しさと、職人さんの技術の高さを実感できました。
暮らしの相談から、未来の職人を育む「種まき」まで
ワークショップの合間には、自宅のリフォームについて相談する方も多いそうです。社内には工事部があるので、専門のスタッフが答えてくれます。
同社は約3年前に『丸福建材工業』から現在の社名に変わり、防水工事や外壁改修に加えて、リノベーションにも力を入れています。
一方で、業界では左官職人やタイル職人の高齢化と後継者不足が深刻になっています。ワークショップには、若い世代に職人の仕事へ興味を持ってもらう「種まき」の思いも込められているそうです。
店内では、土を突き固めて仕上げる「版築」の壁を見ることもでき、左官技術の奥深さに触れられます。

「広島の良い建材を、全国や世界の人にも届けたい」と話す梶山さん。ショップでは『自然塗料いろは』や『紙布(しふ)』など、地元企業の建材を展示・販売しています。


ワークショップでは、「カフェトレイつくり」のほか、「こけ玉つくり」や「ネームプレートつくり」など、月ごとにさまざまな企画を開催しています。ものづくりを楽しみながら、建材や職人の技に触れてみませんか。開催情報は、ショップのInstagramでチェックしてみてください。