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よもぎカフェ|庄原の山あいで味わう、放し飼い豚の創作コース

庄原市口和町の人里離れた山奥に佇む『よもぎカフェ』。完全予約制・1日2組限定のこのカフェでは、地元の食材を生かした創作料理を提供しています。
広大な敷地内には、畑や豚舎のほか、野草や山菜などさまざまな植物が自生しており、初めて訪れた人は思わず驚きの声を漏らします。そんなカフェのはじまりや料理への思いについて、オーナーの冨 由香さんと弟の木原 崇さんにお話を伺いました。

口和町の山の上でのカフェのはじまり

幼少期から食への関心が強かった冨さん。大阪の印刷会社や広告代理店で経営に必要なスキルを積んだのち、オーガニック料理を学んでいた妹さんと二人でカフェをスタートすることになりました。

オーナーの冨 由香さん
冨:地元に帰ってくるつもりは全くなかったんです。でも妹が「帰ってもいいかな」と言い出して、それが実家の敷地内でカフェを始めるきっかけになりました。
どこを見渡しても山・山・山。壮大な自然に囲まれた場所によもぎカフェはあります。

冨さんは、お父様が1988年から運営する全寮制フリースクール「スイス村」の敷地へ戻ることを決意しました。ここは冨さんのご実家でもあり、不登校や引きこもりなど、さまざまな背景を持つ子どもたちを受け入れてきた場所。国内外のボランティアとも連携しながら、多様な人が集う環境が育まれてきました。
その敷地内で、家族やスクール生と一緒に約2年をかけて建物を一から手作りし、2017年4月『よもぎカフェ』がオープンしました。

畑の野菜はスクール生と協力して育てています。

放し飼いで育てる豚の「ぶーちゃん」

広島県で唯一、豚の放牧を許可されているよもぎカフェ。ここで飼育されている豚は「ぶーちゃん」と呼ばれ、放し飼いにしてストレスのない環境で育てられています。

敷地内での養豚はどんなきっかけで始まったのですか?
冨:「動物を飼いたい、畑もしたい」という妹のこだわりで養豚を始めることになりました。
養豚を主に担当している木原さん。豚たちは豚舎を自由に出入りでき、広大な敷地内でのびのびと生活しています。

豚には人工的な飼料は与えず、野菜くずなど自然のものだけで育てているそう。体重300kgにもなる大きな体に育ち、みんな穏やかな表情をしています。

冨:体が大きい方が肉質がいいんです。ちゃんと自然の中で育てた子だから、肉に臭みが全然ないんですよ。
自家製豚「ぶーちゃん」のロース低温調理

コース料理のメインとなるのが、ぶーちゃんのお肉。愛情と時間をかけて育てるからこそ、深い旨味と柔らかな食感をもつ肉質となるのだそうです。
一頭一頭の生命と向き合い、その特性を尊重して飼育し、命をいただくことへの深い敬意を込めて、料理として提供しています。

自家栽培野菜とこだわり豚の「季節のおまかせコース」

「季節のおまかせコース」の前菜プレートには、こんにゃく芋から育てた手作り刺身こんにゃく、人参パウダーをまとわせたトウモロコシのキッシュ、ビーツの冷たいポタージュ、手摘みのクレソンをのせた手作り豆腐など、個性あふれる品々が一皿に並びます。

冨:うちの料理には海のものが出ることはないんですよ。周りで採れたものだけをお出しするようにしています。

食材はすべて、自家栽培の有機野菜や周辺で採れた山菜、地元の農家から仕入れたものを使用しており、山水でニジマスも育てています。

庄原産のもち米、自家製豚を使ったちまき。山で採れた天然山椒が香り立つ一品で、土日限定で道の駅でも販売しています。
香りの良い高級天然キノコ・香茸(こうたけ)のグラタンには、庄原産チーズを使用しています。
デザートも全て手作り。敷地内で採れたイチゴや栗、飼育している鶏が産んだ卵が使われています。

よもぎカフェという名前には、踏まれてもたくましく生きる雑草のように「どんな場所でも生活に寄り添いたい」という願いが込められています。食薬双方に使われるよもぎは、よもぎカフェの哲学そのもの。

営業日は月に半分だけとのことですが、2カ月先まで予約が埋まることもあり、県外から毎月通う常連さんも多いのだそう。記念日に毎年訪れるご夫婦やご家族など、「お子様の成長がわかるほど長年通っていただいていて、それが何より嬉しいです」と冨さん。

店内の窓から見えるのは山と空だけ。ここでは景色が一番の装飾です。

心を込めておもてなしをしたいという思いがこもった料理に、山々に囲まれた気持ちの良いロケーション。広島市内から車で約2時間、ぜひ一度足を運び、特別な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

よもぎカフェ

広島県庄原市口和町宮内285

TEL.080-4174-7851(予約専用)

OPEN.11:30〜16:00頃

定休.不定休

アクセス
三次東ICから車で約30分