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糠漬工房ニポテ 三篠本店|洋食との組み合わせで食の楽しみが広がる、ぬか漬けの魅力

免疫力を高めるとして近年注目されている“腸活”。腸内環境を整える食品の一つにぬか漬けがよく知られています。家で食べるイメージのあるぬか漬けですが、全国的にも珍しいぬか漬け専門のレストランが広島市西区にあります。JR横川駅から徒歩5分ほどの場所に位置する『糠漬工房ニポテ 三篠本店』です。

レストランで提供されるぬか漬けを主役にしたメニューは、身体に良いのはもちろん、洋食との組み合わせで料理の新たな楽しみ方を広げてくれるのも魅力。代表の達川雄策さんに、お店とぬか漬けへのこだわりについて尋ねました。

「新しい味覚に出合った」、ぬか漬けの衝撃。

レストランをオープンしたきっかけは?
達川:シェフと僕は大学時代の同級生で、その頃からいつか一緒に飲食店をしようと話していました。それぞれ経験を重ねて、2022年にこの『糠漬工房ニポテ 三篠本店』をオープンして夢が形になりました。
代表の達川雄策さん。
ぬか漬け専門店というのは珍しいですね。
達川:オープン前のコロナ禍を経て飲食店の在り方もそれ以前とは少し変化していたこともあり、新たに店を構えるにあたってどのように店の強みを出していくかをシェフと話し合いました。その流れで、たまたまシェフが趣味としてぬか漬けをしているという話になったんです。ぬか漬けというとおばあちゃんが家で野菜を漬けているようなイメージを僕自身は持っていたのですが、肉や魚もぬか漬けにできると聞き、シェフが試作してくれた定番の野菜のぬか漬けはもちろん、豚ロースを生でぬか漬けしたカツレツを食べたときにおいしさに感動して、新しい味覚に出合えたと感じました。
それはかなりの衝撃ですね。ぬか漬けは日本の伝統的な食品なので和のイメージがありますが、洋との組み合わせは新鮮です。
達川:シェフはイタリアンやフレンチといった洋食で長く修業してきたので、その経験を生かしてぬか漬けと洋食を組み合わせたメニューを多くの人に食べてもらいたいと思いました。食べておいしいとお客様に感じていただくことが僕らの使命なので、ぬか床から使う食材までこだわりを持って日々メニューづくりをしています。
ランチタイムに提供される前菜プレートの一例。ぬか漬けした野菜、厚揚げ豆腐、ゆで卵、鶏ハム、魚など。サラダにはオリジナルのドレッシングをかけて。ぬかそのものも味わえるよう小皿に添えられています。
店頭ではオリジナルドレッシングや、ぬか漬けした牡蠣や鯖(サバ)を加熱乾燥させた珍味「かじる牡蠣」「かじる鯖」なども購入可能。

優しい味わいを目指してつくる、ぬか床。

ぬか床はどのようにつくっていますか?
達川:米ぬかは安芸郡海田町の『カツヤ』さんのものを使っています。米の卸・小売りをされている老舗で、毎日精米されているので米ぬかの鮮度が高いです。その米ぬかに、唐辛子や干しシイタケなど植物性の素材だけ使ってぬか床をつくることが店のこだわりです。そうすると優しい風味に仕上がるんですよ。特に店ではぬか漬けにした食材を使ってさらに調理していくので、ベースはサラダ感覚で食べられるくらい優しく、あっさりとした味わいにしています。
客席からぬか床が並ぶ冷蔵ケースを見られるのもいいですね。
達川:実際に見ながら食べてもらうと、視覚的にも楽しんでもらえるかなと思いました。これからの飲食店は、ただおいしいだけではなく“楽しかった”などの記憶に残るエンタメ性が必要で、それが食育にもつながるという思いであえて見せるレイアウトにしています。ぬか床には乳酸菌や酵母など生きている菌が存在していますし、漬ける食材の旬や持ち味もそれぞれ異なるので、厳密にいうとぬか漬けはいつも同じ味には仕上がりません。それも魅力の一つとして、その時々ならではの味わいを楽しんでいただけるといいなと思います。
冷蔵室にずらりと並ぶぬか床。店の奥にはさらに熟成中のぬか床を管理しているそう。

ぬか漬けの魅力を、もっと広げる。

昨年(2024年)には、立ち飲み店もオープンしました。
達川:三篠本店はグループや女性のお客様に多く来ていただいているので、一人でも入りやすかったり男性の方でも来ていただきやすい立ち飲みをしたいと考えていました。そこで三篠本店から徒歩10分の場所に、ニポテのぬか漬けがよりカジュアルなメニューで楽しめる立ち飲み店『ぬか漬けスタンドニポテ 横川店』をオープンしました。三篠本店でゆっくりお食事してもらって、二次会として立ち飲みの方で飲み直していただくお客様もいらっしゃいます。自由なスタイルでぬか漬けメニューを楽しんでいただけたらうれしいですね。
西区横川町に構える『ぬか漬けスタンドニポテ 横川店』。
今後の展望を教えてください。
達川:レストランのほか、店頭やオンラインではぬか漬けの商品を販売しているので家で味わっていただくこともできます。ゆくゆくは店内でワークショップを開催して、身体に良くておいしいぬか漬けの魅力をもっと広く伝えていきたいです。また店を立ち上げる際に、国内だけでなく世界展開まで目指そうと決めていたので、日本の伝統である「ぬか漬け」を海外の方にも食べてもらえる機会をつくれるよう取り組んでいきたいです。

野菜だけではなく肉にも魚にも相性ピッタリで、食の新たな味わいを広げてくれるぬか漬け。今からは夏野菜のぬか漬けもメニューに登場するそうで、本格的に暑さが増して食欲が落ち気味になる時期でもさっぱりと食べられていいですね。夏の体調管理の一助にも、ぬか漬けメニューをぜひ!

糠漬工房ニポテ 三篠本店

広島市西区三篠町2-6-15

TEL.082-909-9350

OPEN.ランチ12:00~L.O.14:15(ぬか漬けがなくなり次第終了)、
ディナー18:00~L.O.21:00 、店頭販売12:00~21:00

定休.火・水曜、月曜のディナー

アクセス
JR山陽本線・横川駅から徒歩で約7分