「art201」は広島県内で障がいのある作家さんたちの魅力あふれる作品を発信しています。毎月サロンを開催してみんなで作品を作ったり、持ち運び可能な「おりたたみ美術館」でさまざまな場所で作品を紹介しています。
個性豊かな才能あふれるアーティストたち
「art201」にはどんな作家さんが参加しているのですか?
日向: 現在は7名の作家さんが参加しています。最高齢83歳の常富芳香さんは、長い施設生活の中で刺繍と出合い、今は自由に思い付くまま多彩な色で刺す独特な刺繍作品を作っています。
廿日市市吉和の木工作家さんとのコラボ作品。木と刺繍という今までにない組み合わせです。
本当に細かくて、色彩豊かな刺繍が印象的ですね。お二人のお気に入りの作品はありますか?
胡子: どの作家さんも個性豊かで、心惹かれるものばかりですが、最近出合ったワイヤーアート作家さんの「トモヒロワールド」に魅せられています。本当にかわいらしくて、今にも動き出しそうに見えます。
「トモヒロワールド」どの動物も本当に可愛らしいです。
思わず手に取りたくなるくらい可愛いですね。グッズ販売してほしいくらいです。
日向: そうですね!他にもグッズにしたくなるような作品もありますよ。HIROくんの描く猫はとても人気です。
HIROさんの独特な筆遣いが印象的です。 日向: 他にも新さんは、心のままにイメージを膨らませて、ティッシュやスポンジに絵具を付けて描いていくのですが、その幻想的な絵を見ていると物語の中に迷い込んだような不思議にあたたかな気持ちにさせてくれます。
新さんの生み出す幻想的な世界に私も一気に引き込まれました。 開くとそこが美術館に
展示で使用している「おりたたみ美術館」はどういったものなのでしょうか。
日向: 障がいのある方の作品をもっと街中に展示して、作品を身近に感じてほしいという想いが「おりたたみ美術館」の原点になっています。お店や施設の壁にただ飾るだけでは作品が引き立たないので、その空間だけでも美術館のような空間になるように作ってもらいました。
コンパクトに折りたためる美術館。(2022年8月ウッドワン美術館での展示の様子)
日向: やはり廿日市市は木工の町なので木にこだわりました。吉和の木工作家さんに女性でも運べて、軽自動車にも乗るオリジナルのものを作っていただきました。
のびのびと描ける空間づくり
胡子: 広島トヨペット廿日市店の2階をお借りしてサロンを開催しています。広々と気持ちの良い空間で作家さんも楽しそうに作品を生み出されていますね。みんなでお面に色を付けたり遊び心も取り入れています。
それぞれの好きな場所で描いてもらいます
胡子: art201は福祉サービスではないので障がいの有無に関係なく、どなたでもご参加いただけます。福祉施設ではできないサポートをする場として、障害のある人もない人も混ざり合って、「アートが好き」という想いで集って、作品を生み出してもらえたらうれしいです。
日向: 2022年7月15日~9月25日にはウッドワン美術館新館ロビーにて作品展示、2022年9月18日には「Colorful Heart Festival 〜Hiroshimaを芸術文化で彩ろう!」にて作品展示とワークショップの出店をいたします。今後も展示の場所や活動できる場所を増やしていきたいので、良い場所をお持ちの方はぜひお声かけ下さい。
右から日向典子さん、胡子秀美さん 障がいのある人のアート活動支援を行ってきた支援者とその家族によって構成された「art201」は福祉の垣根を越えて、どんな人でも自分らしくアートを生み出せる場となっています。作家さん同士の交流が化学反応となりどんな作品が生み出されていくのかますます楽しみです。