2023年3月31日に新しいライフスタイルの入口となる市民公園「ひろしまゲートパーク」が誕生しました。公園内のシミントひろしまにオープンしたLUCKY BAKERYは、県内産小麦や米粉を使用した、種類豊富なパンが楽しめます。エリアマネージャーの野島穂香さんに、パンのこだわりやお店についてお話を伺いました。
広島にこだわったパンたち
すごい数のパンですね!毎日、どれくらいの量のパンを焼かれているのですか。
野島:当店では30〜40種類ほどのパンがあり、1種類につき200個ほど焼いています。姉妹店と比べると、米粉を使ったパンが充実していますね。パンの他にもドリンクのテイクアウトやジャム・はちみつなども取り扱っています。
LUCKY BAKERYのパンは、三次市産の三良坂小麦が使われているのですね。
野島:現在は県内産小麦を9割、三次市三良坂産の小麦を1割使っています。三良坂小麦は三次市の休耕田を活用して生産しているので、生産者が少ないんです。小麦がダイレクトに味わえるよう、シンプルなパンだけに使用しています。
小麦パンと同じくらい米粉パンの種類も多いですが、おすすめはありますか?
野島:こちらの「塩こんぶと大根の米粉パン」がおすすめです。小麦パンに比べて、もちもち感が強く、お米なので和の食材にもマッチするんですよ。早くもリピート買いされるお客様が多く、好評です。
米粉だと小麦アレルギーの方もパンを楽しむことができますね。その他にも工夫されていることはありますか?
野島:この地域では外国人観光客の方も多いので、豆乳製の「ヴィーガンバター」を使ったあんバターのパンもあります。豆乳とは思えないくらい、コクもあっておいしいですよ。またお食事系のパンに使用している野菜も広島県産にこだわっています。信頼のある卸の方に仕入れを一括してお任せしています。
ベーカリー初?!ファストパスとは
野島:そうなんです。ドリンクだけを購入したいお客様は、パン購入の列に並ばなくてもすぐ購入できるように設置しました。ファストパスという言葉がまさにイメージにぴったりだったので、そう名付けました。券はドリンク専用カウンターで引き換えることができます。
まさにファストパスですね!ドリンクの種類もいろいろあって気になります。
野島:ぶどうジュースはコンコード種にワイン品種のカベルネソーヴィニヨン果汁を配合していて、赤ワインのような濃厚な香りと、発酵感のある酸味、渋味のある本格的なワインテイストのジュースです。お子様からご家族皆さんでお楽しみいただけます。
お客様にもスタッフにも幸せを届けたい
「LUCKY BAKERY」の店名の由来を教えてください。
野島:三次市から始まったお店が、コロナ禍においてもお客様のおかげで乗り越えることができました。「これまでお店を続けられたことがラッキーだよね!」ということで「LUCKY BAKERY」になったんです。
野島:観光客の皆さまにも「おいしいパンを食べられて今日はラッキーだよね!」と思ってもらえるような小さな幸せを感じてほしいなと思っています。
LUCKY BAKERYさんは「みんながパン職人になれるお店」というコンセプトなんですね。
野島:当店では最新の設備を導入して機械による効率化を図っています。冷蔵から保温に自動で切り替わり発酵できる機械や、力が弱い女性でも負担なく窯に入れることができるエレベーター式の挿入盤を取り入れています。それにより、大学生や主婦の方など誰でもパン職人として働くことができるんです。
機械だけではなく、手ごねのパンも製造されているのですか。
野島:シンプルな「カンパーニュ」などは、手ごねで作っています。機械だけに頼らず、効率的に作業を進めることで空いた時間を上手に活用するのがポイントですね。将来独立してお店を持ちたいというスタッフのスキルアップの時間にもなっています。
スタッフの方の今後もすごく楽しみですね。野島さんが今後目指していることはありますか。
野島:ご来店されたお客様が笑顔になっていただくためにも、まずはスタッフたちが楽しく働けるような環境づくりが一番大事だと思っています。誰もがパン作りを体験できるシステムで雇用を生み出し、活気溢れる未来型パン屋を目指したいです。また、今後もおいしいパンをたくさん届けられるように、店舗を増やしていきたいですね。
LUCKY BAKERYは、地産地消にこだわり「広島産小麦」や「米粉パン」のおいしさを広島から発信しています。自身の留学経験を生かし世界に目を向け、将来的には海外でもお店を開きたいと話す野島さん。これからたくさんの新しいパン文化やパン職人が誕生するのが楽しみですね。