戸河内ICを出て、吉和方面に向かうこと約8分。安芸太田町の山あいにある車一台しか通れないような細いトンネルを抜けた先に、「日本の棚田百選」にも選ばれた井仁(いに)の棚田があります。今回は、そんな絶景を眺めながらおいしいランチとスイーツを味わえる『棚田カフェ イニミニマニモ』をご紹介します。
世界も認めた美しい棚田を眺める絶景カフェ
GW後、田植えが終わったと聞いて撮影におとずれた広島CLiP新聞編集部。広島県で唯一、農林水産省の「日本の棚田百選」に選ばれたという「井仁の棚田」の魅力や、おすすめのランチメニューについて、店主の友松さんにお話をうかがいました。
友松:地域おこし協力隊として活動している時に、「井仁の棚田」を見に来てくれる人はたくさんいるのに滞在できる場所がないことに気づき、棚田を眺めながら郷土料理を楽しんだり、地元の人と交流できる場所としてカフェがあればいいなと思ったことがきっかけです。
なるほど!ここでは安芸太田町の郷土料理もいただけるんですね。
友松:「一合寿司ミニ」の押し寿司は井仁の棚田で受け継がれている田舎料理ですし、「棚田米ランチ」は棚田で獲れたお米と地元の旬の野菜をたっぷり使ったお惣菜が並びます。
友松:昼夜の寒暖差と良質な水のおかげで、甘みが強く雑味がないのが特徴です。カフェメニューのシフォンケーキも、棚田米を自家製粉した米粉で作っているんですよ。
さまざまな人が繋がる交流スペースにしたい
シフォンケーキも米粉で作られているのですね!カフェメニューにある紅茶もすごく香りがよくておいしいです。
友松:ありがとうございます。この紅茶は「井仁紅茶」といって、町内の人たちが井仁の石垣に自生している野生の茶葉を使って作っている紅茶をメニューに取り入れたものなんです。
なるほど!カフェを始めた時の目標だった「地元の人と交流できる場にしたい」という思いが少しずつ叶っているのですね。
友松:そうですね。ここで自分の好きなことが見つかった人は「何でもやってください!」という気持ちで、いろんな方を受け入れる場所にしたいと思っています。
実際、店内ではライブをしたり、いろんな教室もされているようですね。
友松:地元の方や、お客様として来てくださった方がここを気に入ってくださり、始まったこともいくつかあります。敷地内の畑で野菜を育てている方もいますし、オカリナ教室はその先生がここでライブをされたことがきっかけで始まりました。とても人気で、生徒さんの半数は広島市内から通ってこられているんですよ。
単なるカフェではなく、交流を育むコミュニティスペースのような役割も担っているのですね。
友松:そうなれたらいいなと思います。住むのは難しくても、1年を通じて通ってくれる人たちがいたら、住んでもらっているのと同じくらいの賑わいをつくれるんじゃないかなと思うんです。だから棚田のファンをたくさん増やしたいですね。
オープンして7年。友松さんの思い描いた通り、『棚田カフェ イニミニマニモ』は棚田を媒介に、さまざまな人が交わり合う素敵なコミュニティの場に育っているようです。
棚田を一望できる展望台へ
おいしいランチとケーキでお腹いっぱいになったところで、友松さんに教えてもらった棚田の絶景スポットの一つ、展望台へ。
そこには、500年という気が遠くなるほどの長い時間、自然の英知と人間の努力によって守り育てられてきた絶景が広がっていました。
季節ごとそれぞれに美しい表情を見せてくれる棚田。イニミニマニモの友松さんは、厳しい冬が終わり、空気感がガラリと変わる春の景色が好きなんだそう。「もちろん、どの季節の景色も素晴らしいですよ」と友松さん。
季節を通して世界級の絶景とおいしいランチ&カフェが味わえる『棚田カフェ イニミニマモ』。広島市内から車で1時間ほどとアクセスも良好です。気候のいい季節、ドライブがてらぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。