東広島市の広大な敷地に、世にも珍しい巨石を集めた日本庭園があるのをご存知でしょうか。園内には子どもを遊ばせることができる芝生の広場やバーベキューサイト、フットサルのコートまであるとか!私たちが思い描く日本庭園のイメージを大きく覆す「仙石庭園(せんせきていえん)」の魅力をご紹介します。
西条ICから約10分!3000個以上の庭石が並ぶ庭石ミュージアム
山陽自動車道・西条ICで降りて車を走らせること約10分。広島市中心部から1時間もかからない場所に、仙石庭園はあります。広い駐車場に車を停めて少し坂をくだったところに立派なゲートを発見。ここが仙石庭園の入り口です。そばにある自動販売機でチケットを購入して入園します。
園内に入ると、いたるところに巨大な庭石が鎮座しています。その色も質感も形も一つとして同じものはなく、自然の神秘、そして迫力に圧倒されます。
園内には“映え”スポットもたくさん!この写真のように池に青空が映り込んで、富士五湖のような写真が撮影できるスポットもあります。
桜の見頃は3月上旬から5月頃までたっぷり!
園内には梅や桜、もみじなど、季節を感じる花木がたくさん植えられています。お弁当などの持ち込みもOKだそうで、桜の季節はお花見も楽しめるそう。
「桜ってね、ソメイヨシノだけじゃないんですよ。当園には早咲きの河津桜(カワヅザクラ)や、八重桜など100本以上の桜があります。3月上旬から5月頃まで楽しんでいただけますよ」
そう教えててくれたのは仙石庭園の園主・山名征三さん。
実はこの庭園は山名さんが20年もの時をかけて、ほぼ一人でコツコツと造り上げたもの。
しかも造る過程で庭師に相談したり、日本庭園の本や資料を見ることは一切なく、自分の感性だけを頼りに造りあげたといいます。
造園し始めたばかりの頃は、医者の道楽とかすぐに飽きてやめるだろうと心無い言葉をかけられたこともあったそうですが、今ではその存在を海外まで知られることとなり、海の向こうから視察団が訪れることもあるそう。
日本の庭園文化を100年先まで残したい
「日本初の庭石博物館としても登録されるなど、知名度は上がりましたが、この庭園が100年先まで残る庭園になるためには、若い世代の方にも日本の庭園文化に興味を持っていただいて、訪れてもらえる場所にしたい」という山名さん。
今はもっぱら、そのための工夫や体制を整えているところだそうで、その一つの試みとして、園内には日本庭園を眺めながらバーベキューを楽しめる「バーベキュー場」を完備。一番景色のいい位置に設えたそう。
「なにも奇抜なことをしているわけじゃないんですよ 。 かつて千利休は茶の湯を起こし、それを庭に持ち込んで茶庭というものを作ったでしょ。それと同じ発想ですよ」
また園内にはお食事処「石庭」もあり、地元の食材を使った美味しいランチや、軽食も楽しめます。ちなみにランチメニューは完全予約制ですが、飲み物やスイーツなどの軽食は予約なしでもOKとのこと。ちなみにお食事のみのご利用も可能で、その場合は専用の入り口(入園料不要)から入ることができます。
ゲートを潜ってすぐある「神石殿」には、貴重な石がたくさん展示されています。館内には石のことならなんでも知っているというスーパーガイドさんも常駐。石の成り立ちや成分などどんな質問にも答えてくれます。
見るものを魅了する石の美しい色や唯一無二の模様はどのようにしてできたのか。興味深い話に耳を傾けながら、世界で一つだけのお気に入りの石を見つけてみてはいかがでしょうか。